EVシフトとAI化が今後のクルマのデザインに影響を及ぼす
ストッピングパワーを色で誇示するカラードブレーキキャリパー
国内では1990年代初頭のR32型GT-Rあたりから装着が増え始めたブレーキの対向キャリパー。レーシング
マシンのそれを想起させる形状と、大型のサイズはハイパフォーマンスカーの証としてクルマ好きから一躍脚光を浴びることに。
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本来高出力に応じたストッピングパワーをもたらす必需品で、飾り立てるものでもないが、そのスペシャル感をアピールするように、従来のブラックに代え、真紅に彩ったブレーキキャリパー(通称・ビッグレッド)を装着したのが、ポルシェが1991年にリリースした964型の911ターボだった。
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そのインパクトたるや絶大で、以降、多くの自動車メーカーが追随。レッドをメインに、高性能モデルでは(対向、片押し問わず)ペイントを施したブレーキキャリパーを備えることがトレンドとなり、現在に至っている。
ちなみにレクサスでは、走りの特化版である”Fスポーツ”が、専用のオレンジカラーのブレーキキャリパーを採用。ポルシェではすべての車種で、キャリパーの色を自由に選べるオプションも用意されているという。
スッキリした見た目のコンシールドワイパー世界初採用は7代目クラウン
基本的なワイパーの仕組みは古くから変わらず、まったく違う形状のものを実用化できたらノーベル賞ものと言われるほど。ただし、デザインは変化していて、その代表格が”コンシールドワイパー”だ。アームの取り付け位置を変えることで、それまで正面から丸見えだったワイパーがボンネットの後端、つまりフロントウインドウとの間に隠れるように収まることから、この名称になった。
メリットは見た目がスッキリすること。空気抵抗や風切り音の低減にも効果を発揮する。世界初採用は1983年の7代目クラウンで、前方からまったく見えないフルコンシールドタイプで登場した。ちなみに、ワイパーの上部が見えるタイプは”セミコンシールド”と呼ばれ、これはワイパーの本体サイズが大きく、隠しきれない場合に採用される。最近は、金属製のブレードがゴムと一体した樹脂製ブレードに変わって薄くなっているため、フルコンシールドが主流となっている。
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ただし、洗車の際などにワイパーを立てにくいのが難点で、スイッチ操作でワイパーの停止位置を途中で止める必要があるなど、面倒臭さを感じさせることもある。
踏ん張り感を引き立てるデザイン手法のブラックペイントホイール
ここ最近、純正ホイールの色に変化が起こっていることに気づいている人も多いかもしれない。かつて、「精悍な印象を際立たせる」という理由から、スポーツモデルで定番の黒系ホイールが、ミニバンやコンパクトカーといった一般的なモデルにも多く見られるようになっている。
クルマのデザインでは足もとの踏ん張り感がきわめて重要で、それを際立たせるためにタイヤを目立たせるのはオーソドックスなデザイン手法。とくにホイールの色を一般的なシルバーにした場合、タイヤの超偏平化に伴うホイールの大径化もあり、とにかく大きく見え、最近まではタイヤとホイールの大径化は当たり前のように行われていた。
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しかし、大径化はコストアップのほか、重量増などによる燃費や乗り心地の悪化を招くのは周知のとおり。ミニバンやコンパクトカーのような実用車では看過できない問題だ。そこで、高偏平タイヤと小径ホイールの組み合わせで足もとの踏ん張り感を引き立たせる目的で考え出されたのが、「タイヤとホイールを同化さ
せる」手法。タイヤとホイールを同じ黒色で組み合わせるとボリュームが出て、多少ホイールの径が小さくても目立たなくなるという理屈だ。
それでも黒一色では味気ないということなのだろう。最近では多くの車種で、タイヤとの同化を狙った黒ベースのホイールで、一部に切削(表面の一部を機械で削ってシルバーのアルミ地肌を出す)を加え、デザイン性を高めたものが設定されるようになっている。
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デザインに変革もたらすEVシフトとAI化
今後のクルマのデザイントレンドに大きな変化をもたらすものとして、本格化するEVシフトとAI化があるのは間違いない。
ご存知のように、電気モーターで走るEVは従来の内燃機車両のようにエンジンをラジエータで冷却する必要がない。つまり”フロントグリル”も不要になる。
いまあるEVのなかでもグリルを廃し、シンプルな印象のフロントマスクを持つ車種が散見されるが、フロントマスクはクルマにとって最大の見せどころだ。ここになんらかの工夫を加えてデザイン性を追求することは容易に想像がつき、それを誰もが「いい」と思えるものならトレンドになるだろう。
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クルマのハードウエアを一変させるとも言われているAI化はどうか?
従来のウインドウやシートなどのレイアウトすら変えてしまう、とも言われており、新しいモビリティのカタチからまた新たなデザイントレンドが生み出される可能性が高い。
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いずれにせよ、クルマ好きとしては自動車の画一化が急激に進み、あたかも冷蔵庫や洗濯機といった”白物家電”のように、どれもこれも同じようなデザインにならないことを願うばかりだ。
※本記事は雑誌CARトップの記事を再構成して掲載しております