
この記事をまとめると
■犬の行動を研究してプジョーが「E-5008ドッグエディション・コンセプト」を開発した
■専用ヘッドレストやドライヤー、留守番支援機能まで備えた本気のお犬さま仕様だ
■犬のための工夫は子どもや高齢者にも優しいクルマづくりにつながっている
犬だって快適に移動したい……はず!?
クルマを開発するとき、自動車メーカーは通常、人間の目線からクルマを設計するだろう。運転するのはもちろん人間だし、助手席やリヤシートに乗るのもほとんどの場合が人間なため、それは至極当然なことだ。しかし近年は、ライフスタイルの変化によって、犬を家族の一員として迎える家庭が増えている。つまり、これからのクルマは、人間だけではなく犬の目線から見ても快適でなければならない……のかもしれない。
そこでプジョーは考えた。犬の目線からクルマを開発したら、クルマはどのように変わるのかと。そして誕生したのが「E-5008ドッグエディション・コンセプト」だ。これは単なるペット用アクセサリーを装着した、なんちゃってな犬仕様ではない。犬の見え方や感じ方、行動パターンまでマジメに研究し、「犬が快適に移動できるSUV」をゼロから考えたコンセプトカーなのだ。
まずプジョーは、「犬がクルマをどう感じているのか」という視点から開発をスタートさせた。従来のようにペットシートやケージを追加するのではなく、色彩や素材、車内レイアウトまで犬目線で見直した点が、このコンセプト最大の特徴だ。
E-5008ドッグエディション・コンセプトのインテリアは、人間が見てオシャレだと思う空間ではなく、犬が落ち着ける空間を目指している。犬は人間とは異なる色覚をもち、青や黄色は認識しやすい一方で、赤や緑の区別は苦手とされる。そこで車内は、犬が落ち着きやすいブルーを基調にアクセントとしてイエローを採用。視覚的な刺激を抑えながらも、犬が認識しやすい色使いとした。さらに、床やシートには滑りにくく柔らかな素材を使用し、急ブレーキやコーナリングでも四肢への負担を軽減する工夫が施されている。
こうした発想は、人間中心のクルマづくりからでは決して生まれなかったものだろう。
プジョーが犬のためにしたことはそれだけではない。犬をクルマに乗せたことがある人なら、一度は見たことがあるであろう犬が窓にアゴを乗せて景色を眺める姿。プジョーはこの行動にも注目し、「ウインドウヘッドレスト」と呼ばれる専用アイテムを開発。犬が自然な姿勢で景色を楽しめるように設計した。
さらに、付属する専用マットレスもユニークだ。ラゲッジスペースや後席で使用できるだけでなく、目的地ではそのまま犬用ベッドとして使える設計となっている。自宅からクルマ、旅行先まで同じ寝床を使えるため、環境の変化によるストレス軽減も期待できるという。
