犬のための装備がいずれ人のための装備として転用される
また、E-5008ドッグエディション・コンセプトの装備は遊び心だけでは終わらない。専用ハーネスや犬と飼い主用のバッグ、車内保護マット、収納式フードボウル、おもちゃなどを標準装備。さらに、EVならではのV2L機能を活用し、濡れた犬の体を乾かせるペット用ドライヤーまで備えている。まさに「そこまでやるか」と言いたくなる装備内容だ。
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そして、忘れてはならないのが、このコンセプトカーに盛り込まれたドッグエディションのEVならではの機能だ。ナビゲーションは充電スポットだけでなく、公園や散歩コースが近い場所を優先的に案内するようプログラム。充電時間を愛犬の散歩時間として有効活用できるように考えられているのだ。
さらに「ドッグガーディアン」なるモードを搭載しているのもおもしろい。これは、犬だけを車内に残した際には室温を自動管理するとともに、異常があればスマートフォンへと通知する機能で、一匹でのお留守番も安心だ。
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そしてもっともユニークなのが「ドッグレトリバー」機能だ。専用の音を発して迷子になった犬を呼び戻し、車両が戻ってきた犬を認識して乗車をサポートするという。まるでSF映画のような機能まで盛り込まれているのである。
ここまでマジメに犬のためのクルマを考えて実際に製作したプジョーだが、残念ながらこのE-5008ドッグエディション・コンセプトは市販予定のないデザインスタディとなっている。しかし、このコンセプトから見えてくるものは少なくない。滑りにくい床や快適な温度管理、使い勝手のいい荷室、ストレスを減らすインテリアなど、その多くは犬だけでなく子どもや高齢者にも恩恵をもたらす装備だからだ。
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クルマはこれまで「人間中心」で進化してきた。しかし、家族のかたちが多様化した現代では、ペットも大切な家族の一員だ。犬の目線でクルマを開発するという、一見すると突飛なアイディアだが、その本質は「家族全員が快適に移動できるクルマとは何か」を世に問うたコンセプトカーになっているのだ。
近い将来、E-5008ドッグエディション・コンセプトに採用されたアイディアの一部が、いずれかの市販モデルに採用される可能性は十分にあるだろう。犬のために考えたクルマづくりが、人にも優しいクルマづくりにつながっているのだ。