WRCで伝説のアウディ・クワトロが1000馬力で復活! 約7000万円のレストモッドに「ドナー車が2台必要」な驚きの理由 (2/2ページ)

RS4とクワトロで計2台のドナー車が必要

 さらに、ボディコンストラクションは当然のようにカーボン製となり、RS4のシャシー+V8でも1424kgとライトウエイトスポーツカーとなることは間違いありません。ちなみに、ストックのRS4からは250kgほど軽量化され、WRCマシンと比べると300kgほどの増量。しかしながら、パワーウエイトレシオとなると、オーデシアス(ステージ2の750馬力として)1.89kg/馬力、WRCのクワトロ1.98kg/馬力を凌駕することに。

 気になるオーデシアスの価格は、ベーシックで47万ドル(約7000万円)とされていますが、「RS4と初代クワトロの2台のドナーカーの用意すること」と、但し書きがありました。完成車の料金にドナーとなるクルマの費用が含まれていないということですから、実際は相当な値段になりそうです。ところで、シャシーやエンジンを使うRS4が必要なことはわかるものの、クワトロを用意する意味はどこにあるのでしょう。ボディをカーボンに置き換える際の型ということであれば、最初に1台あれば事足りるはず。

 真相はイギリスや欧州にある厳格な法律で、オーデシアスをクワトロとして公道を走らせるためには「本物の初代クワトロの車台番号(VIN)と書類」が必要とのこと。もし、RS4のシャシーに「ゼロから作ったクワトロ風のカーボンボディ」を載せただけにすると、法律上は「大幅に改造されたRS4」または「まったく新しい自作の新型車」として扱われてしまい、その際は衝突安全基準や最新の排ガス規制をクリアせねばなりません。

 スタートアップ企業にとってハードルが高いといわざるを得ず、ザグレフスキとしても苦肉の策で、「合法的に公道で走らせ、かつ『本物のクワトロの復活である』というブランド価値をもたせるため」とかなんとか、執念をにじませています。

 お値段といい、レア車のドナー2台という条件といい、オーデシアスに乗れるオーナーは非常に限られた存在となるはず。037ラリーがキマイラとして再解釈されて大人気を博したのと同様、オーデシアスというクワトロの生まれ変わりもまたクルマ好きにとって垂涎の的となること間違いないでしょう。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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