ラシーンをFR化してシルビアのエンジン搭載!? オーテックが本気で作った世界で1台の「幻の魔改造セダン」 (2/2ページ)

あるものは流用してないものは作る!

 たとえば、三角窓は古いダットラ用を流用し、フロントバンパーはなんとSR311型フェアレディのものを加工して装着している。また、メーカーの垣根を越えて、ミラーはクラシックMINIのものを採用するなど、「これだ!」と思ったパーツをかき集めて作られている。ちなみにメーターはメルセデス・ベンツの機械式メーターで、インパネのウッドパネルはワンオフだという。シートはパイクカー仲間のフィガロのものを流用し、表皮を変更している。

 まるで自動車系の専門学校がイベントで展示するクルマを作るような勢いすら感じられる中身だ。

 と、ここまで見ただけでも「ラシーンがめっちゃ魔改造されている!」となるわけだが、オーテックの本気はここからである。

 なんとこの「オーテック A-10」、FFベースのラシーンでありながら、まさかのFR駆動へと大改造されている。しかもエンジンは、当時販売されていたS14シルビアのQ’s(NA)で使用されていたSR20DEを搭載、ミッションは、FS5W71Cという(通称:71C)シルビアや180SXなどに採用されていた5速MTをドッキング。さらにエンジンは、完成時は170馬力であったところを、2011年に180馬力にまでパワーアップさせている。つまりこの怪作は、いまもなお動態保存されているのだ(先述の里帰りミーティングなどでたまに見ることができる)。

 さて、もはや見る影もないほどに魔改造された元ラシーンこと「オーテック A-10」。製作期間は驚愕の半年程度だったとのことで、いかに湘南の技術屋たちが汗水垂らして作り上げた1台であるか、その中身からもおわかりいただけるはずだ。

 ただし残念なことに、この「オーテック A-10」は市販されることはなく、究極のワンオフモデルとして世界に1台しかない幻のクルマでもある。聞くところによると、製作費用はラシーンの新車価格の約10倍、衝撃の2000万円前後なんだとか。もはやスーパーカーである。

 2026年で40周年を迎えたオーテック。次なる怪作に期待したい。


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WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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