「ポルシェ=911」の固定観念はもったいない! 最新EVからハイブリッドまで4台一気乗りで見えた“今の最適解”【吉田由美の美ーハー・カーライフ】 (2/2ページ)

どのポルシェも運転が楽しい

 続いては、フル電動化された新世代マカン。マカンの魅力は、SUVとしての使いやすさとポルシェらしい走りを両立していること。カイエンよりもコンパクトなサイズで、日常のお買いものから週末のロングドライブまで、幅広い場面で活躍してくれそうです。

 パワートレインは前後2基のモーターを組み合わせた四輪駆動。通常時の最高出力は448馬力で、ローンチコントロール作動時にはオーバーブーストによって最大516馬力を発揮します。最大トルクは820Nm、0-100km /h加速は4.1秒、最高速度は240km/hとなります。

 ポイントは、アクセルを踏んだ瞬間から力強いトルクを発生するだけでなく、状況に応じて前後の駆動力を素早く調整できること。電動四輪駆動システム「ePTM」が、路面状況や走行状態に応じたトルク配分を行い、安定した走りを支えます。

 また、800Vの電気システムを採用し、ことらも条件が整えば最大270kWの急速充電に対応します。WLTCモードによる一充電走行距離は最大600km。充電環境を上手に選べば、日常の移動だけでなく遠出の際の使い勝手にもかなり期待できそうです。

 さらに、「マカン4Sエレクトリック」はポルシェらしいドライビングダイナミクスを支えるシャシー技術も魅力。単に速いだけでなく、ドライバーが思い描いたラインを正確に走ることができるのに、家族や荷物を乗せてもスポーティな走りが楽しめるところがマカンの存在価値です。

 カイエンターボエレクトリックが圧倒的なパワーで驚かせるモデルなら、「マカン4Sエレクトリック」は、毎日の暮らしのなかでポルシェらしさを楽しむモデルといったところでしょうか。日常と非日常の距離を縮めてくれる一台だと思います。

 最後は、4ドアの電動スポーツセダン「タイカン4ブラックエディション」です。その名のとおりにブラックをテーマにした専用装備で、タイカンの低く構えたシルエットがいっそう引き締められ、スタイリッシュ〜! スポーティでありながら、派手さを全面に出しすぎていないところもポイント。ビジネスシーンにも自然に馴染みそうだし、「大人のポルシェ」という感じです。

 四輪駆動の「タイカン4ブラックエディション」は、最高出力436馬力、0-100km/h加速は4.6秒、最高速度は230km/h。タイカンのもち味は、低重心の車体を生かした安定感と電気モーターならではの滑らかな加速。重いバッテリーを床下に配置することで、重心を低くしています。

 また、ブラックエディションは「パフォーマンスバッテリープラス」を標準装備し、一充電走行距離はWLTCモードで572km。もちろん実際の走行距離は気温や速度、エアコンの使用状況などによって変化しますが、スタイルだけでなく、長距離移動の実用性も兼ね備えているのは頼もしい限り。

 速さより、走りの質感やデザイン、日々の使いやすさを大切にしたい人におすすめです。

 というわけで、今回4台のポルシェに乗ってみて、ポルシェが考える「走る楽しさ」の幅広さを実感しました。

 エンジンの鼓動とオープンの開放感を味わうなら「911タルガ 4 GTS」。圧倒的な加速とラグジュアリーSUVの快適性を求めるなら「カイエン ターボ エレクトリック」。毎日の使いやすさとスポーツカーのような走りを両立したいなら「マカン 4S エレクトリック」。そして、スタイルと航続距離、長距離移動の快適性を重視するなら「タイカン4ブラックエディション」。

 注目したいのは、ポルシェが電動化を進めても、すべてのモデルを同じキャラクターにしていないこと。電動化するかエンジンを残すか、という2択ではなく、どんなボディにどんな技術を組み合わせればもっと楽しいクルマになるのか、その答えをモデルごとに探っているような気がします。

 911ではエンジンの魅力を残しながら電動技術で応答性を磨き、カイエンでは電動パワートレインの圧倒的な出力をいかし、マカンではスポーティさと日常のバランスの両立。そしてタイカンでは低重心と洗練された走りを追求……、それぞれに異なる魅力がありながら、ドライバーを楽しませようとする姿勢は変わりません。

「速さの答えは、ひとつじゃない」というポルシェの哲学が、個性の異なる4台から伝わってきました。そしてどのポルシェも運転が楽しい!


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