この記事をまとめると
■標識や白線の破損は警察署か道路管理者に連絡する必要がある
■道路の異常は警察と自治体のどちらが管轄かを見極めることが大切
■「LINEで通報#9910」を使えば写真付きで全国の異常を気軽に報告できる
意外と見かける標識や白線の汚損・消失
自宅の周辺などよく通る道路では、「なにかいつもと違う」という異変を感じやすいと思います。「止まれ」の標識が折れ曲がっていたり、カーブミラーが破損していたり、一時停止の白線が消えかかっていたりすることに気がついたことはないでしょうか。このまま放っておいたら、事故につながってしまうかもしれない。一刻も早く直してほしい。でもこんなとき、いったい誰にいえばよいのでしょうか。
ぶつけられて曲がった標識画像はこちら
道路標識には、警察署が設置したものと道路管理者が設置したものがありますが、ひとまずは管轄する警察署の交通課(交通規制係)に連絡をしましょう。警察署のホームページからオンラインで連絡できるシステムもあります。連絡する際は、破損している道路標識の種類と設置されている場所、どのような状態なのかを伝えましょう。もし「標識管理票」というステッカーが貼られているものであれば、その数字をメモしておき、一緒に伝えるとスムースです。
標識に貼られた標識管理票画像はこちら
連絡する内容としては、道路標識が壊れている、曲がっている、落書きされている、樹木などに隠れて見えづらい、腐食している、標示が消えかけている、といった状態になります。交通事故による破損や倒壊など、緊急性のある場合には迷わず110番をしましょう。交通事故で破損した道路標識の修繕費用は、破損した本人の負担になります。
落書きされた標識画像はこちら
もし、連絡した道路標識が道路管理者によって設置されたものだった場合には、警察署の指示に従って対応してください。参考までに、警察署が設置する道路標識は、一方通行、速度、一時停止、駐車禁止、横断歩道、自転車横断帯、通行止めなど。道路管理者による設置は、市町村や方向、著名地点、交差点あり、学校や幼稚園あり、信号機あり、重量制限、高さ制限などの標識となっています。
また、珍しい例ではあるのですが、家を建てたり駐車場を設置したりする際、出入口となる場所に道路標識があり移動してほしいというような場合にも、その標識を管理するところに連絡しましょう。
さて、標識ではなく道路の白線が消えてしまっている、書いてほしいといった連絡も、警察署と道路管理者で分かれています。警察が管理しているのは、ダイヤマークや停止線(止まれ)などの文字。道路のセンターラインや歩道との区分のライン、車線境界線といった白線(黄線)は、道路管理者に連絡することになります。
消えかけの白線画像はこちら
道路管理者にはどのようなところがあるのかというと、まず高速道路は国土交通大臣。国道は一部を除き国土交通大臣、一部が都府県。都道府県道は各都道府県、市町村道は各市町村が道路管理者となっています。
このように、標識によっても道路によっても、連絡する相手が変わってしまい、結局どこに連絡すればよいのか……と途方に暮れてしまうこともあったのですが、昨年から日本全国の道路異常の通報が、LINEでできるようになったことをご存じでしょうか。
以前から道路緊急ダイヤル「#9910」の運用は行われていましたが、聴覚や発話に障がいがある方でも通報が可能なLINEアプリの運用がスタートしています。日本全国の道路で、標識やガードレールなどの損傷、落下物、落石や土砂流入、路面陥没といった道路の異常を、写真で通報することができます。あらかじめLINEアプリで「LINEで通報#9910」を友だち追加しておけば、なにか気づいたときにすぐに通報することができて安心です。
道路緊急ダイヤルのイメージ画像はこちら
国や地方自治体の予算は限られているため、通報内容によって緊急性や危険性が高いものから順次修繕をすることになるので、通報したところすべてが対応されるわけではないようですが、異常に気づいたらそのままにせず、しかるべきところに知らせて事故を未然に防ぎたいですね。