この記事をまとめると
■ガソリンスタンドにはいくつかのブランドが存在する
■ガソリンは現在全社同じ製油所で生成されているので中身はほぼ同じだ
■かつては粗悪ガソリンというのが存在しクルマに不調を招く原因になっていた
ガソリンの品質は本当にどこでもいっしょ?
ガソリン価格の高止まりが続いている。たとえば、東名高速の海老名SA(下り)のレギュラーガソリンは201円(2025/05/17~2025/05/23の価格)と、なんと200円オーバーだ!
ここまで高いと、1円でも安いガソリンスタンドを探したくなるが、そうなると今度は品質も心配に……。
実際のところ、ガソリンは石油会社ごとに、あるいはガソリンスタンドごとに、性能や品質の違いはあるのだろうか?
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結論からいうと、ガソリンはどこで購入しても基本は同じといっていい。
レギュラーガソリンは、JIS規格によって品質が定められて、物流の効率化のために自社の製油所や貯蔵タンクのない地域で、他社製品を買い取って自社製品として販売する「バーター出荷(混合出荷)」が日常的に行われている。
そのため、どこのガソリンスタンドで給油してもレギュラーガソリンの中身は同じと考えていい。
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では、ハイオクガソリンはどうなのか。ハイオクガソリンに関しては、各石油会社がそれぞれ独自に添加剤を工夫し、清浄性、燃費、環境性能などを謳っていて、違いがあるように思えるが……?
ところが、2020年7月に毎日新聞が『ハイオクガソリン、実は混合 「独自開発」のはずが……20年前から各地で』というニュースを報道。
これを受け、業界団体「石油連盟」の当時の杉森務会長(ENEOSホールディングス会長 ※当時)が「ハイオクガソリンも共同の油槽所(貯蔵タンク)の利用やバーター出荷などにより、他社から調達したものを自社製品として供給することがあるのは事実だ」と答えている。
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同時に、「石油会社各社は他社から調達した場合も含めまして、自社が供給しているすべての製品について、お客さまに保証している性能を満たすように品質管理、保証をしています」とコメントしているので、結局のところ、ハイオクもレギュラーと同じでブランドごとの違いはない……というのが実情だ。