この記事をまとめると
■日本発の車名「ハチロク」は海外でもそのまま使われている
■漫画「頭文字D」の影響で日本語呼称が欧米のファンにも定着した
■911やBMWなど、国ごとの愛称もクルマ愛の表れの象徴といえる
世界中にファンをもつクルマならではの現象
海を渡った日本の言葉を外行語と呼ぶのだそうです。津波や寿司、あるいはラーメンも外国でそのまま発音されているものは少なくありませんよね。すると、クルマの名前も外行しているものがあったりするのでしょうか。
とりわけ、トヨタのハチロクのように日本発祥の人気モデルはどんな風に呼ばれているのでしょう。と同時に、ポルシェ911(キュウイチイチ)のようにその国ならではの呼びかたがされるものもあるはずです。ちょっと探ってみましょう。
AE86レビンのフロントスタイリング画像はこちら
初代となるAE86型カローラレビン/スプリンタートレノは正式車名があるにもかかわらず、ハチロクの愛称が定着しています。頭文字Dに登場時はハチロクでとおっていますが、これはユーザー発祥と思って間違いないでしょう。
そして、次世代の86は欧州などでは「GT86」と名付けられたほか、北米ではトヨタの若者向けブランド「サイオン」から発売され「サイオンFR-S」を名乗りました。その後、サイオンが廃止されると、シンプルに「86」へと変更。なので、北米では「エイティシックス」と単純な英訳でとおっているようです。
サイオンFR-Sのノーズ画像はこちら
しかしながら、どこの国でも愛称やスラング的な呼び名があるもの。驚いたことに「ハチロク」と日本語の呼び方をするアメリカ人が少なくないようです。これまた外行語のニュアンスで、日本が大好きだったり、トヨタという日本ブランドへのリスペクトが含まれているのかもしれません。
また、アメリカのみならず、フランスやイタリアでも日本車ファンから「ハチロク」と呼ばれているようで、どうやらこれは頭文字Dの影響がうかがえます。アニメになったことも知名度が上がった要因で、日本車すべてをハチロク呼ばわりする人もいるのだとか。日本人女性すべてをゲイシャ(芸者)と勘違いするのと同じニュアンスでしょうか(笑)。
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86と同じくワールドワイドで人気のスポーツカーといえば、ポルシェ911。ドイツ本国では911をノイン・エルフ、9と11をドイツ語で読んだものが一般的ですが、911に乗っている人はノイン・エルファー、あるいは通が集まる場ではエルファー(11er)と呼ばれることも。そしてイタリアもまた、9と11にわけた呼びかたが一般的でノベ・ウンディチ ですが、フランスは900(ヌフ・サン)と11(オンズ)というわけ方で呼んでいるようです。
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ちなみに、アメリカでビーマーといえばBMWユーザーのこと。BMWerというニュアンスでしょうが、erを人称として使うドイツのエルファーに通じるものがありそうです。一方で、VWビートルもドイツではケーファー(Kaefer)と呼ばれ(意味はビートルと同じくカブトムシ)erが使われていますが、こちらは一般名詞なのでカブトマンとか、そういう意味ではありません(笑)。
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国によって車名の呼びかたはさまざまあれど、いずれもクルマを愛するがゆえの愛称だったりするわけで、クルマ好きとしてはなんともホッコリする話題です。