この記事をまとめると
■アフガニスタンにてスーパーカーが開発されている
■車名は「Mada-9」で製作は「ENTOP」というメーカー
■トヨタのエンジンをベースとしたモデルとして計画
アフガニスタン製スーパーカーの全容
アフガニスタン・イスラム首長国、通称アフガニスタンという国の名前から、まず誰もがイメージするのは長年にわたる政情不安だろうか。現在のアフガニスタンは、2021年に復活したタリバン勢力によって統治されているが、それを正式に政府として承認している国は、唯一ロシアがあるのみ。国連などによる厳しい経済制裁などの影響で、国民の生活は困窮し、その出口はいまもなお見えてはいない。
そのアフガニスタンからスーパーカーが誕生する。
このような驚くべきニュースがタリバンから発信されたのは、中東のドバイにその舞台を移して開催された、2023年のジュネーブショーでのことだった。
ここで発表されたモデルは、「Mada-9」と呼ばれるもので、それを製作したのは「ENTOP」というメーカー。その開発にはアフガニスタン技術職業訓練所に所属する30名のエンジニアも関与しており、約5年という歳月を投じてこのプロトタイプの完成に至ったというのが、このときに発表された内容だった。
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現代のスーパーカーらしく、優秀なエアロダイナミクスを得ることを前提にデザインされたMada-9のボディは、ENTOPのCEOであるモハメド・リザ・アフマディの手によるもの。さらに彼は、このモデルの開発においてはチーフエンジニアとしての役も担っている。
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ちなみにドバイでMada-9が発表されたときには、そのスペックは一切発表されなかったが、ミッドにはトヨタがカローラに採用した1.8リッターの直列4気筒エンジンをベースとする、独自のパワーユニットが搭載されるという噂もあった。
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そしてこのMada-9の発表から約10カ月後、アフマディはアフガニスタンの首都であるカタールで、新たなモデルを披露する。アフガニスタンの英雄と芸術を体現した作品であると改めて紹介されたそのモデルに与えられた車名は「Simurgh(シムルグ)」。
ENTOPではもちろん、このシルムグの生産が計画されており、Mada-9と同様にトヨタベースのエンジンが搭載される可能性が高い一方で、将来的にはその電動化さえも検討されているという。
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はたしてアフガニスタン発のスーパーカーは、アフマディのプランどおりにその生産をスタートさせることが可能になるのだろうか。
アフマディの言葉を借りるのならば、それはアフガニスタンの人々に知識の価値を伝え、世界という舞台においてアフガニスタンのイメージをさらにいい方向に高めることに大きく貢献することになるはず。今後のさらなる情報に期待したいところだ。