この記事をまとめると
■窃盗団の手口は年々巧妙化している
■物理的な対策は表から見えるので意外と有効だ
■盗難は短時間で済ますのがマストなのでややこしい対策は敬遠される率が高い
窃盗対策は物理も有効!
発生件数そのものは減っては来ているものの、プロ集団=窃盗団の暗躍で年々巧妙化してきている自動車の盗難事件。それにあわせてユーザー側も自衛手段を強化していく必要がある。
とくに高級車や人気車に関しては、純正のイモビライザーだけでは不十分で、後付けのセキュリティシステムはマスト。さらには、物理的にクルマを動かせなくする防犯グッズの有効性が見直されている。
具体的には、ハンドルロック、タイヤロック、ペダルロック、バッテリーターミナルキルスイッチなどだ。
タイヤロックのイメージ画像はこちら
ちなみにハンドルロックには2種類あって、キーを挿していない状態でハンドルを操作しようとすると、ハンドルロックが働く、クルマに標準化している機能と、ハンドル自体にバーなどを鍵で取り付け、ハンドルをまわせないようにする後付けの防犯グッズがある。
後者は、車外からでも確認できるので、盗み出すのに「時間と手間がかかる」ことを視覚的に窃盗犯にアピールできるメリットもあるが、前者もなかなか馬鹿にできず、クルマを離れるときに純正のハンドルロックを習慣化していたことで、車両盗難が未遂で済んだオーナーも、じつは少なくない。
ハンドルロックのイメージ画像はこちら
タイヤロックもタイヤに直接取り付けることで、視覚的アピールと車両を物理的に固定する効果があるので有効だ。ペダルロックは車外からは確認しづらいが、ブレーキペダルに装着して物理的に操作を不可能にする装置となっている。
バッテリーターミナルキルスイッチは、バッテリーのマイナス端子に取り付けて、ダイヤルをまわすことで電源のオンオフを切り替えられるもの。本来は長期間クルマに乗らないときにバッテリーの自然放電を防ぎ、バッテリー上がりを防止するためのグッズだが、盗難防止装置としても有効。
どんなに防犯対策をしても、車両盗難をゼロにすることはできないが、相手がプロであればあるほど、コスパやタイパは重視する。
窃盗団のイメージ画像はこちら
つまり、窃盗団は少しでもラクに盗めるクルマをターゲットにしているので、こちらが手間をかけ、ハードルを上げたぶんだけ被害に遭う確率が下がることになる。なので、盗難対策には絶対的なセキュリティが求められているのではなく、「相対的な狙いにくさ」こそが重要だということだ。
電子的なセキュリティも大切だが、物理的ロックと併用することも大切だし、人感センサーライトや番犬、ボディカバーなどとの合わせ技、さらにはGPSの発信器や十分な車両保険の加入まで考え、二重三重の防犯対策を施しておくのが、愛車を守るために欠かせないと心得ておこう。