この記事をまとめると
■ヘネシーの存在を世界に広めたのはロータス・エキシージがベースの「ヴェノムGT」だ
■ヴェノムGTのプロジェクトが完結した2020年には「ヴェノムF5」が登場した
■ヘネシーは内燃機関のみで2000馬力超えのスーパースポーツを生み出したメーカーだ
あくまで内燃機関のまま怪物スペックを叩き出すマシンたち
2005年にブガッティが「ヴェイロン16.4」を発売したとき、まず大きな話題となったのはそのミッドシップに搭載される8リッターのW型16気筒+4ターボエンジンが発揮した、1001馬力という驚異の最高出力だった。だが、それから20年という時を経て、この1000馬力という数字はスーパースポーツの世界においては、もはや特別なものではなくなったようだ。
それにはもちろん、エレクトリックモーターという新たな技術が導入されたことにも大きな理由があるのだが、その一方で内燃機関のみで2000馬力超えというスペックを誇るスーパースポーツを生み出したメーカーがあることも忘れてはならない。卓越したチューニング技術をもつジョン・ヘネシーによって、1991年にアメリカのテキサス州に設立されたヘネシー・パフォーマンス、のちのヘネシー・スペシャル・ビークル社がそれだ。
1991年にアメリカのテキサス州に設立されたヘネシー・パフォーマンス、後のヘネシー・スペシャル・ビークル社画像はこちら
ヘネシー・パフォーマンスの存在を世界的に広める原動力となったのは、2012年にロータス・エキシージをベースに製作された「ヴェノムGT」だった。コンパクトなエキシージのボディはカーボン素材を使用することでさらに軽量化され、そのミッドにはもっとも過激なスペックでは1244馬力を誇る7リッターのV型8気筒ツインターボエンジンが搭載された。
ヘネシー「ヴェノムGT」のフロントスタイリング画像はこちら
2014年に行われたテストで記録された、このヴェノムGTの最高速は435.31km/h。そしてヘネシーは、このヴェノムGTの成功を受けて、新たに自社ブランドの新型スーパーカー開発をスタートさせたのだ。
ヴェノムGTのプロジェクトが完結したのは2020年のことだった。竜巻の風速ランク(藤田スケール)で最高となる「F5」にちなんで「ヴェノムF5」とネーミングされたそれは、ヘネシー自身がデザインした優秀なエアロダイナミクスを誇る流麗なボディをもつモデルで、最高速度目標を500km/hに設定していた。
ヘネシー「ヴェノムF5」のフロントスタイリング画像はこちら
モノコックやボディはもちろん軽量なカーボン製で、ドライウエイトはわずかに1385kg。ミッドにはヴェノムF5のために新設計された6.6リッターのV型8気筒ツインターボエンジンが1842馬力のスペックで搭載され、ミッションは7速のセミAT、または6速のMTの選択ができた。駆動方式はもちろんRWDだ。
ヘネシー「ヴェノムF5」のインテリア画像はこちら