この記事をまとめると
■旧車や中古車などとくに個人売買の世界に「書類なし」という言葉がある
■書類なし車が公道を走るためのナンバー取得には多くの書類や手続きが必要となる
■書類なしのクルマで公道走行を可能にするにはそれなりの覚悟と根気が求められる
クルマに関する手続きに必要な「書類」がないとどうなるのか
主に旧車や中古車の世界で目にしたり、耳にすることがある「書類なし」というキーワード。果たしてどのような意味をもつのでしょうか。そして「書類なし」で困ることとは?
●そもそも「書類なし」とはどういう意味なのか?
「書類なし」とは読んで字のごとく、1台のクルマが誰かの所有物であることを公的に示す書類が揃っていないことを意味します。つまり、現状では再登録が行えないため、公道を走ることができません。「書類なし」の意味を知らずに、ヤフオクなどで「安いから」という理由だけで落札すると、思わぬ苦労を背負う可能性があるので注意が必要です。
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●「書類なし」に該当する書類について
「書類なし」といっても1種類ではありません。少なくとも以下の書類(ナンバープレートは現物)が必要になってきます。
・車検証(自動車検査証):登録情報が不明になり、名義変更・再登録が不可能です。
・譲渡証明書:これがないと登録名義を変更できません。
・委任状:所有者本人でないと手続きできません。
・所有者の印鑑証明書:正規の名義変更ができません。
・抹消登録証明書(登録識別情報等通知書):一時抹消車や解体済車を再登録できません。
・自賠責保険証明書:保険切れ・証書紛失でも再発行可能ですが、車検時に必ず提出します。
・登録識別情報等通知書(電子車検証の代替書類):これがない場合、電子登録手続きが難しくなります。
・ナンバープレート(登録番号標):ナンバーが返納されている場合は、抹消登録証明書で対処します。
・使用者の住民票・法人登記簿謄本:登録や名義変更の際に、使用者を証明する書類として必要です。
こうして列挙してみると、いろいろな書類が必要になってくることがわかります。状況次第ではこれら以外の書類を用意する必要があるので、かなりの根気強さが求められます。
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●書類がないクルマの困る点とは?
前述したとおり、ナンバーが取得できないために公道を走らせることができず、「置物」となってしまう点が挙げられます。自宅などに屋根付きのガレージや倉庫があり、コンディションを維持した環境で置き場所を確保できるならまだどうにかなります。
どうしても屋内保管が難しい場合、ボディカバーを被せておく方法もありです。さらに、もし自宅に置き場所がない場合、月極の駐車場を借りることになるわけですが、「書類がない」場合、車庫証明も取得できず、月極の駐車場を借りることもできません。もし自宅などに置き場所を確保できない場合、身内や友人知人、あるいは職場などの私有地に置かせてもらうしかないのです。
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