この記事をまとめると
■かつてトヨタのタクシーといえばセダン型のコンフォートやクラウンコンフォートだった
■トヨタテクノクラフトが「コンフォートGT-Zスーパーチャージャー」を発売
■60台限定で生産された旧車風スタイルをもつ貴重なFRセダンのカスタマイズカーだ
いまとなっては貴重なコンパクトFRセダンのホットモデル
いまではトヨタのタクシーというとJPNタクシーが主流となっているが、それ以前は昔ながらのセダン型のボディをもつコンフォートやクラウンコンフォート(コンフォートは小型タクシー、クラウンコンフォートは中型タクシー)がメインとなっていた。
コンフォートシリーズは凸型のスタンダードなセダンスタイルをもっていたが、タクシーとして使われることを前提としていたため、キャビンの全高を比較的高くすることで室内高を稼いでいて、ひときわ特徴的なシルエットとなっていた。
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クラウンの名前が冠された仕様があり、スタイルも当時のクラウンに近しいものとなっていたが、メカニズム的にはクラウンというよりは8代目のマークII 3兄弟に近いもので、シンプルかつ熟成されたものを使うことで高い信頼性を獲得していたのである。
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そんなコンフォートは、前述したようにタクシー用途をメインに作られていたが、マークII系がベースということで、コンパクトなFRレイアウトのクルマに仕上がっており、そこに目をつけた当時のトヨタテクノクラフトが、旧車風のスタイルをまとったホットモデルとして2003年にリリースしたのが、「コンフォートGT-Zスーパーチャージャー」だった。
コンフォートGT-Zスーパーチャージャーのフロントスタイリング画像はこちら
これは3S-FE型2リッターのガソリンエンジンと5速MTを搭載した仕様をベースに、スーパーチャージャーを組み合わせてハイオク仕様とすることで、130馬力/18.5kg·mから160馬力/22.5kg·mへと出力を向上。それに合わせて強化されたサスペンションやブレーキ、タワーバー、スポーツマフラーなどをプラス。
コンフォートGT-Zスーパーチャージャーのエンジン画像はこちら
エクステリアはグリルをダークカラーとし、ドアサッシもブラックアウト。さらに、エアダム風フロントバンパーやウレタン風リヤスポイラー、RSワタナベのエイトスポークアルミホイールなどを装着し、旧車チックなルックスとなっていたのだ。
コンフォートGT-Zスーパーチャージャーのフロント/リヤスタイリング画像はこちら
そして、オプションとしてバケットシートやステアリング、シフトノブのほか、強化クラッチやLSD、3連メーターといったチューニングパーツも用意されており、ディーラーでチューニングカーを買うことができたのも魅力だった。
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コンフォートGT-Zスーパーチャージャーは60台のみが生産され、価格は227万~291万8000円と当時のアルテッツァRS200が230万円だったことを考えると悩ましい価格設定ではあったが、量産車では味わえない雰囲気をまとったカスタマイズカーであったことは間違いなかった。