この記事をまとめると
■コロナ禍以降は車中泊を趣味とする人が増加した
■道の駅や高速道路のSA/PAでは車中泊が原則禁止されていることが多い
■コンビニチェーン大手のローソンが車中泊可能なコンビニを試験的に運用中だ
車中泊OKなコンビニが登場!
アウトドアレジャーとして、以前から人気が高いオートキャンプ。目的地のキャンプ場まで愛車で移動し、テントやタープを張りサイトを設営して料理などを楽しむのがポピュラーだが、登山や釣り・観光などの移動手段として愛車を利用し、現地ではそのクルマのなかで宿泊する「車中泊」といった楽しみ方も流行している。
車中泊仕様のバンの車内画像はこちら
ときに近年ではコロナ禍でソーシャルディスタンスが叫ばれるようになり、公共交通機関による移動よりも感染リスクが低いなどといった理由で、2020年ごろから車中泊がブームとなったといわれている。
本格的なオートキャンパーは、トラック・ミニバンなどをベースに改造をしたキャンピングカーや、牽引可能なキャンピングトレーラーを購入・レンタルして利用している。しかし、普段使いのワゴンやミニバンに宿泊道具を積んで、車中泊をしながら旅行を楽しむといった層も増加傾向にあるという。
車中泊仕様バンのイメージ画像はこちら
ただ、当然のことながら車中泊は相当の時間を一定の場所に留まることになる。その際に、道路交通法の規定(駐車違反など)や私有地に無断で入り込むなどといった行為はご法度だ。24時間営業の店舗・道の駅・パーキングエリア(PA)・サービスエリア(SA)などでも、そういった車中泊を認めているところは少ない。ところが、無断でクルマを停めて宿泊しているといった事例が続発し、社会問題化しているところも出てきている。
道の駅の看板画像はこちら
そこで、車中泊OKの施設として拡大しつつあるのがRVパークである。これは、従来のオートキャンプ場とは似て非なるもの。両者の主な相違は以下のとおりだ。
・オートキャンプ場はキャンプが目的の施設だが、RVパークは車中泊が目的の施設。
・オートキャンプ場はアウトドア感が強く、キャンプファイヤー・バーベキューなどが楽しめる。
・RVパークは電源・ゴミ処理・トイレ・食料や日用品の販売店など、宿泊施設にあるような設備が充実している。
このように、RVパークはオートキャンプ場とは違って車中泊を目的とした施設として、一般社団法人日本RV協会(キャンピングカー製造・販売事業者等による業界団体)が定めた基準をクリアして、認定されたものなのだ。2025年9月5日現在、全国で570拠点存在する。民間事業者だけではなく、自治体が運営に関わっているところも多い。
RVパークの看板画像はこちら
そんなRVパークを、コンビニ大手のローソンが実験的に運営することが発表された。場所は、千葉県南房総海岸沿いにある7店舗。RVパークとコンビニのコラボは少し意外性があるように思えるが、以下のようなメリットがある。
・店員が24時間いるので安心感がある。
・常に清潔なトイレが使える。
・ 必要なものをいつでも購入可能。
意外にも多くの利便性があり、コンビニとくっつけるのは相性が良いと考えられるのだ。子ども連れや女性のひとり人旅でも安心感があるので、需要の拡大につながる可能性を秘めている。
車中泊可能なローソンのイメージ画像はこちら
利用の際には、「RV-Park.JP」から予約をする。1区画1回あたりの利用料金は2500円で、実験期間は2025年7月14日~2026年6月30日の約1年間だ。インバウンドの増加でホテル料金が高騰するなか、新たな旅行スタイルとして定着することが期待されている。