この記事をまとめると
■イオンレイクタウンのトヨタモールは圧倒的集客を武器に高い販売力を維持している
■自動ブレーキ普及期から出張展示が復活しモール出店が販売手法として広がった
■海外では複数ブランド集中のオートモール化が進み日本でも集約化の波が近づいている
ディーラーよりむしろモールでクルマが売れている
埼玉県越谷市にあるイオンレイクタウン内には、「トヨタモール」としてモール内にトヨタ系4チャンネル(トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツトヨタ店)が2008年より出店している。集客力の高いイオンモールへの出店なので、ほかの地域の路面店に比べるととにかく販売台数が格段に多いとのことであった。家族でイオンモールへ訪れ、お母さんや子どもが買い物をしている間にお父さんがトヨタモールで展示車を見たりして時間を潰し、あとで家族が再合流した段階で商談して新車を買っていくというケースも多いようだ。
ショッピングモールなので年末年始も休まず営業するのだが、休暇を取る店舗スタッフもいる一方で来店客も増えるので、応援部隊として他店舗のスタッフから「友軍」を募ることもあったそうだ。そういった際には、新人でも路面店のベテランセールスマン並みの台数を毎月のように売りまくるため、希望者が殺到したといった話も聞いている。
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日本の新車販売現場では古くから、「移動(出張)展示」というものをディーラーで行っていた。地元の産業祭といったイベント会場に展示車数台をもち込み、販売促進活動を行うというものである。これは昭和の風物詩のようなもので、平成に入ってからはあまり見かけなくなったのだが、衝突被害軽減(自動)ブレーキが装着されはじめたころには、自動ブレーキの実演を行って周知を図ろうとショッピングモールの駐車場などで車両展示・実演をする形で復活を遂げた。
それ以降は、ショッピングモールで期間限定にて貸し出すテナントスペースなどに短期間出店する「出張店舗」を出すディーラーも出てきた。ここ最近では中国のBYDオート(比亜迪汽車)系ディーラーがイオンモールで積極的に展示会を行っているようである。新車ディーラーも働き手不足が深刻でなかなか凝ったことはできなくなっているのだが、店で待っているだけではなかなかクルマは売れないと、いろいろ動いているようだ。
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