BEVの優遇終了! トランプ政権下では日本メーカーのハイブリッドが大人気になる可能性大!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2025年9月末に米国のEV税額控除が終了して販売現場は値下げと特典で穴埋めに動いた

■12月には燃費規制緩和が打ち出されてメーカーの電動化プレッシャーは弱まる方向だ

■全米はガソリン安でもカリフォルニアは高いままで低燃費な日系HEVが存在感を増す

全米規模ではBEVの販売は盛り上がらず

 アメリカでは2025年9月末をもって、BEV(バッテリー電気自動車)を購入した際の、最大7500ドルとなる所得税控除を終了した。南カリフォルニア現地で終了間際の様子を筆者は目の当たりにした。カリフォルニア州は2035年までに州内で販売するすべての新車をZEV(ゼロエミッション車)にするとしており、アメリカ国内でもとりわけBEVが普及している地域とされている。

 所得税控除終了を控え、駆け込み需要が発生したというものの(しかも税額控除対象車はアメリカンブランドを中心に絞り込まれていた)、全米規模ではそれほどの盛り上がりを見せなかったようで、10月になってからも在庫を抱えたままのブランドも目立ち、税額控除分を自社負担で購入特典として継続したり、大幅値下げするブランドが相次いだ。

 そのような状況下で、トランプ政権は2025年12月3日にバイデン政権が課していた自動車メーカーへの燃費規制を撤回し、燃費基準を大幅に緩和させた。

 バイデン政権の課した燃費規制とは、CAFÉという自動車メーカー個々に対し自社が販売するすべての車種の平均燃費値を算出、それが政府の定めた燃費基準を下まわってはいけないという義務制度であり、2031年モデルまでに1ガロンあたりの燃費性能が約50MPH(マイル/ガロン、km/Lに単純換算すると約21km/L)相当としていた。トランプ政権はこれを34.5MPH(約14.6km/L)まで緩和するとしている。

 ステランティス傘下クライスラー系であるRAMブランドのRAMピックアップでは、5.7リッターV8HEMIエンジン搭載車を2026年モデルにて復活させるなど、トランプ政権の動きを先読みしたかのようにも見えてしまうトピックもある。

 本稿執筆時点での全米での平均ガソリン価格は1ガロンあたり2.945ドルとなっており、円安傾向の続くいまでも円換算して1リットルあたり約120円とかなり安くなっている。もっとも安いのはオクラホマ州で1ガロンあたり2.370ドル(1リットルあたり約97円)となっている。

 アメリカでは一時の狂乱的なガソリン価格の高騰が過ぎ去り、全体ではかなりガソリン価格が下落傾向になっているが、1ガロンあたりでの全米平均価格より1.5ドル(約232円)も高い州がある、それがカリフォルニア州である。

 そこで、さらにカリフォルニア州内を地域別にみると、いずれも1ガロンあたりとなるが、3.964から4.204ドル(約614から約651円/1リットルあたり約162円から約172円)という地域がある一方で、4.611から5.668ドル(約714から約878円/1リットルあたり約188円から約232円)と著しく高騰している地域があった。

 州境を接するネバダ州より1ドル近くも高いのがカリフォルニア州となっている。カリフォルニア州では2035年までにZEV以外の新車販売を認めないとし、それを修正するICE車(内燃機関車)も2035年以降も継続販売するなどの動きも見せていない。

 ただ、ICE新車の販売を認めないといっているだけではなく、段階的にZEVの普及が進んでいくとして州内の製油所の閉鎖やガソリン精製量の削減なども行われている。カリフォルニア以外の州よりもガソリンへの課税額が多いこともあり、全米平均ガソリン価格より際立った平均ガソリン価格になっているとされている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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