めちゃくちゃ人足と手間がかかっていた「ガードレール」の塗装メンテ! いま画期的な自動化が始まっていた!!

この記事をまとめると

■ガードレールは1トンの乗用車が140km/hで突っ込んでも乗員の安全性を確保できる

■塗装をするにはかなりの手間が必要でメンテナンス性の悪さが課題だ

■塗装を補助してくれる「ガードレール塗装工」が注目されている

ガードレールの塗装に特化した特殊装置とは

 道路の路側に設置されているガードレール。薄く白い鋼製のものが主流で、一般には道路に埋め込まれたパイプ状の柱にしっかりと取り付けられている。厚さがそれほどないので、とくに高速道路などでクルマが突っ込んでも耐えられるのか不安に感じるが、万一の際には変形するものの結構もちこたえてくれる頼もしいやつだ。だから、崖などのカーブに設置されていると、運転時の安心感が数段高まる。

 その歴史は意外と古く、1950年代なかごろに一般国道の峠道に設置されたのが最初だといわれている。以来、改良が重ねられて現在のような形になった。より強度が高いとされる3山ビームタイプは、25トンの大型トラックが100km/hで衝突しても耐えることができ、1トンの乗用車が140km/hで突っ込んでも乗員の安全性を確保できるという。

 こんなに丈夫なガードレールではあるが、設置されているのはほとんどが風雨降雪にさらされる屋外。材質が腐食性の低いアルミニウムであればまだしも、強度が命の鋼製を使用しているとなれば錆による劣化が心配だ。これを防ぐべく塗装がされているとはいうものの、これも永久に保護できるわけではない。

 そこでさまざまな塗料が開発されているのだが、それでも塗り替えは行う必要がある。その手法は一般的な鋼板塗装と似ており、以下のような工程を経なければならない。

①汚れを落とす

②錆を落とす

③下地を塗る

④上塗りをする

 これを道路上で延々と続くガードレールに作業員が施工していくとなれば、その手間と時間は半端なものではないのだ。場合によっては、いちいちガードレールを外して施工しなければならないこともあるという。

 そこで開発されたのが、西日本高速道路エンジニアリング中国の「ガードレール塗装工」だ。一般道路でもガードレールの塗装作業は大変だが、高速道路では猛スピードでクルマが行き交うために、作業員の安全確保にはより気を配らなければならない。そのために車線規制を敷けば、利用者に不便を強いることになる。

 塗装作業の手間と時間は、極力省く必要があるのだ。 「ガードレール塗装工」は、ブラスト処理と塗装を機械で行う工法だ。ブラスト処理は、機械を平台の8トントラックに据え付けて使用。ガードレールに作業機器を取り付け、さびや汚れを研磨して落とす。このときにブラスト完了カ所の表面の粗さを測定する。塗装用機械は、平台の4トントラックに載せる。作業機器をブラスト済みのガードレールに据え付け、エアシャワーで表面粉塵を除去しながら、測定した表面の粗さに合わせて塗装を行うのだ。

 ボルト部分など細かなところは作業員による追加作業が必要だが、8時間の車線規制でおおよそ600mの施工が可能だという。使用される塗料にも工夫があり、原色材に特殊セラミックを混ぜることで、錆止め効果と飛散防止機能を有している。万一に備えて、ドライバーを守る役目を持つガードレール。そのメンテナンスにも、さまざまな工夫と改善努力が行なわれているのである。


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