よく考えてみると「ハイゼットカーゴ ハイブリッド」って凄いクルマ! 20年前に軽バンの電動化に取り組んでいたダイハツに敬礼!!

この記事をまとめると

ダイハツは早期から軽商用車の電動化に取り組んできた

■20年以上前に軽商用車初のハイブリッドカーを市販化

■高価格と効果不足で商業的には失敗に終わったが現在のBEV開発へと繋がっている

軽商用車として初めてハイブリッドカーを市販化

 2026年2月、ダイハツが同社初の量産BEVとして「e-ハイゼット」を発表したのは記憶に新しいところだ。軽商用EVというジャンルにはすでに三菱ミニキャブEVやホンダN-VAN e:といったモデルが他社より先行して登場しているため、若干出遅れたかたちになるが、一方でメーカーのルーツでもある商用車においてダイハツは電動化への挑戦を積極的に行ってきており、その歴史は1960年代の「コンパーノバン EV試作車」にまで遡ることができる。

 そして軽商用車においてハイブリッド車をはじめて量販したのもダイハツだった。そのモデルが、いまから遡ること20年以上前の2005年8月にデビューした、10代目ハイゼットをベースとする「ハイゼットカーゴ ハイブリッド」だ。

 当時、まだ普通車でもハイブリッドシステムを搭載したモデルはトヨタ車を中心に数えるほどしか存在しなかった。だがダイハツはそれよりさらに前の2002年の段階で、9代目ハイゼットをベースとしたハイブリッド車を開発し、自治体等でモニター使用を行っていた。そして2004年に10代目ハイゼットがデビューした翌年、さっそくハイブリッドモデルを市販化したのである。

 その構成は、エンジンと4速ATトランスミッションの間にコンパクトなモーターをひとつ挟むというもの。基本はエンジン駆動で、発進加速時にモーターがアシストするといういわゆるパラレルハイブリッド方式を採っていた。モーターやバッテリーといったコンポーネントは、トヨタの中型ミニバンであるエスティマ・ハイブリッドから流用。一方でコントロールユニットは自社で開発するなど、勘所を押さえながらもコストカットの努力がなされた。

 外見は、ノーマルのハイゼットカーゴとほとんど変わらない。唯一ハイブリッドであることを主張するのはボディに貼付された”Hybrid”のステッカーくらいのもので、ホイールキャップすら備わらないオーソドックスな軽バンそのものである。

 同様にインテリアについてもベース車からの変更点は多くない。メーターに回生状態等がわかるランプが控えめに追加されることと、リヤシート下にバッテリーが搭載されるためわずかに荷室寸法が狭められている程度だ。なお、ハイブリッド化によって車重は約140kg増加したものの、最大積載量についてはベース車同様の350kgをキープしていた。

 シビアなビジネスシーンでの普及を見据えたコストカットとともに開発されたハイゼットカーゴ ハイブリッドだったが、その販売価格は税込221万5000円。当時、ベース車のハイゼットカーゴは100万円以下の低価格から販売されていたため、2倍以上という価格になってしまった。

 ダイハツとしては販売台数を増やし、量産効果でこの価格を下げてゆく狙いだったが、高価格に加え、車重増加により実燃費向上の効果が少なかったこともあり、販売は振るわず。発売開始から約400台を販売するにとどまり、2010年にひっそりと姿を消した。

 商業的には成功といえなかったハイゼットカーゴ ハイブリッドであったが、その後もダイハツは軽商用車の電動化の開発を続け、e-ハイゼットを世に送り出してみせた。そこにはこのハイゼットカーゴ ハイブリッドで培った開発・販売面でのノウハウが少なからず活かされているはずだ。


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