この記事をまとめると
■欧州が日本の軽自動車を参考にした小型EVカテゴリーを誕生させると話題になった
■実際に欧州委員会が明らかにしたのは「M1E」という新カテゴリーだった
■「M1E」は全長4.2m以下という軽自動車よりも常用コンパクトカーに近いものであった
欧州に新登場の小型EVカテゴリーが話題
2025年、日本人にとって驚きのニュースが欧州から飛び込んできた。欧州で、小型EVのカテゴリーができるというのだ。欧州メディアでは「E-car」と表現したうえで、一部では日本の軽自動車っぽい発想だとも伝えられた。
これを受けて日本のメディアでも「欧州で軽自動車が走り出す」といったイメージの記事が出まわるようになった。
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さらに、アメリカでもトランプ大統領が「とても小さなクルマの(アメリカ国内での)生産を承認」というメッセージをSNSに投稿するなどしたことで、日本の軽自動車規格が欧州だけではなくアメリカでも広がるのか、といった感覚をもった日本人もいるだろう。
では、実際にどうなったのか。
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が明らかにしたのは「M1E」という新しいカテゴリーだった。同委員会の発表資料では「スモール・アフォーダブル・カー」という表現を使っている。「Affordable(アフォーダブル)」とは「手頃な価格」を意味するが、具体的にどの程度の価格帯を意味しているのか現時点では不明だ。そもそも、アフォーダブルに対する正当な価格帯を自動車メーカーに求めるかどうかもわからない。
MIEの概要としては、全長が4.2m以下の小型EVと規定したが、最大のポイントは自動車メーカーにとってメリットがあることだ。欧州では地球温暖化に関与するといわれているCO2排出量に対して、企業に対するクレジットを課す方式を導入している。このクレジットがM1Eは通常のEVに比べて1.3倍に設定できるというのだ。
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こうした配慮によって、自動車メーカー各社がM1Eにどこまで投資するかは現時点では不透明だといわざるを得ない。そもそも、全長4.2mだと軽自動車というよりは乗用車のコンパクトクラスであり、すでにこの分野には欧州メーカー各社のモデルラインアップがある。そのなかにはEVも含まれているものの、EV市場全体が伸び悩んでいる状況の欧州市場にわざわざM1Eとして新型モデルを導入するメリットをどう見るかは、自動車メーカーそれぞれの判断になりそうだ。
また、欧州ではクワドリシクルと呼ばれる超小型EVカテゴリーが存在しており、M1Eとの差別化が難しいという見方もある。
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今後、欧州委員会からE-carことM1Eの車両規定詳細が明らかになるので、欧州メーカーがMIE市場にどんな手を打ってくるのか注視したい。
※一部にAIにて生成した画像を使用しています