窃盗団はあなたのクルマの防犯アイテムまで下調べ! 闇バイトの暗躍で凶悪化する最新クルマ盗難事情と“狙われる家”の共通点 (1/2ページ)

闇バイトが暗躍する自動車盗難の最新事情

「年々盗難のペースが加速している状況です。ピーク時の2003年と比べれば件数は約10分の1に激減していますが、『減った時代』はもう終わった、というのが実情です」

 そう語るのは、バイク・クルマの盗難防止に心血を注ぎ、信頼を勝ち取ってきたメーカー、キタコ(KITACO)で、盗難防止ブランド「K・TECT」の開発を行う石橋稔氏。

「手口の変化という意味では、10年以上前はプロの単独犯が痕跡をまったく残さず姿を消す、いわば職人的な犯行が目立っていました。ところが最近は様相がまったく違います。組織化が進んでいて、闇バイトが深く関わっているという話をよく耳にします。リサーチ役、データ入力役、実行役と完全に分業されていて、まるで会社組織のように動いている。しかもターゲットにロックオンしたら、そのクルマが停まっている時間帯、場所、装着している盗難防止用品まで徹底的に調べ上げてから犯行に及ぶと聞いています。

 発生場所も変化しています。以前はコインパーキングが主な現場でしたが、いまは一般住宅の駐車場からの盗難が大半を占めるようになっています。自宅に停めているから安心、という感覚は完全に過去のものです。

 さらに怖いのは、窃盗団の組織が相当強固なピラミッド型の上下関係になっていて、実行犯は「盗んでこなければ自分の身が危うい」という状況に置かれているという話も聞きます。つまり、犯行役も必死で、欲しいクルマと決めたらなんとしても盗みに来る。だからこそ言いたいのは、電子対策も物理ロックも、何重にも組み合わせて使ってほしいということです。1種類の対策で満足している場合ではない時代になっています」

茨城県警からの相談で4輪用の開発に着手

 キタコは2003年に盗難防止アイテムの開発をスタート。いかにして「壊されない」ものを作るかに心血を注いできた。その背景には「プロの窃盗団が”3分から5分”で犯行を完了させる」という現実があり、必然的に強度重視の物理ロックへと行き着いた。同社が開発した超硬合金の「ウルトラロボットアーム」は、大型のボルトクリッパーや油圧カッター、高速カッターでも切断に時間を要し、最強クラスの防犯性能を誇るアイテムとしてテレビ番組にも取り上げられたほどだ。

 2012年にはバイク用ロック製品で培った実績を背景に、茨城県警から盗難対策の相談依頼を受け、そのSOSに応える形で開発を開始した。というのも茨城県は長年、自動車盗難率が全国ワースト上位にランクインし、とくにハイエースやランドクルーザー、アルファードといった人気車種を狙った組織的窃盗が活発な地域である。デジタル防犯が突破されるのであれば、最後は「物理的な強さ」に立ち返るしかない。バイク界で「最強ロック」と評価されたキタコの技術に、警察が白羽の矢を立てた格好だ。こうして、さまざまな意見交換と盗難手口の研究を経て、クルマ用ハンドルロックの商品化へと至った。

「ランドクルーザー系やアルファード系など、海外転売ルートに乗りやすい人気SUVが狙われやすいのは事実です。加えて注目したいのがプリウス、とくに30系。盗難被害そのものも多いのですが、じつは盗んだプリウスを別の車両を盗む際の”犯行用車両”として使うというケースも報告されています。盗難車が次の盗難に使われるという、非常に厄介な連鎖です」

「そしてハイエース。世界的に需要が高く、海外転売目的での盗難が後を絶ちません。K・TECTとしてはハイエースに対して特別な思い入れがあります。もともとバイクパーツを製造しているメーカーとして、ハイエースにバイクを積んでサーキット走行を楽しむユーザーさんが非常に多い。その方たちの愛車を守りたいという気持ちが、4輪用ハンドルロック開発のそもそもの出発点になっています。その思いもあり、200系(1〜8型)ハイエース対応の専用品を年内、または来年頭にラインアップ予定です。ご期待ください」


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