トヨタがフルモデルチェンジを9年周期へ! 長寿命化はユーザーメリットも大きいが開発側の難易度も高い!!

この記事をまとめると

■トヨタが乗用車のフルモデルチェンジ周期を延長する

■開発コストの増大やデザインの成熟化が大きな要因

■長寿命化によって長期間通用する設計力が求められる

長寿命化にはワケがある

 トヨタがフルモデルチェンジの周期を従来の平均7年から、今後は9年に延ばす、という趣旨の報道があった。近年でもランドクルーザー100は1998年に発売され、200の登場は9年後の2007年、300はさらに14年後の2021年であった。ランドクルーザーシリーズのような悪路向けのSUV、ハイエースなどの商用車はすでに長いが、今後は乗用車の周期も9年まで延ばすという。

 この話には真実味がある。今は電動化を含めた環境対応、自動運転に向けた運転支援や安全装備の進化など、技術革新に関する投資が膨大に増えており、車両開発に向けた投資は抑えねばならない。フルモデルチェンジの周期は自ずと長くなるわけだ。

 また最近は、以前に比べてデザインが著しく進化する時期を過ぎて安定期に入った。過去を振り返ると、1957年に発売された初代コロナと7年後の1964年に発売された3代目コロナでは、ボディスタイルは大幅に異なる。

 しかし2002年発売の初代アルファード、2008年の2代目、2015年の3代目、2023年の現行型を並べると、各世代で大きな変化はない。2026年の現時点で、2002年に発売された初代アルファードを見ても、24年前のクルマとは思えない。

 最近はデザインが安定期に入り、しかも空間効率を重視するミニバンも増えたから、デザインの変化がますます乏しくなった。ミニバンはピラーやウインドウを寝かせると車内が狭くなり、立てると空気抵抗が増えたりデザインのバランスが崩れる。現時点ですでに進化の限界に達しているため、もはや変えられるのはフロントマスクとリヤビュー程度だ。

 以上のような事情に基づき、トヨタでは、乗用車のフルモデルチェンジ周期を9年にするようだ。9年の間に、大小のマイナーチェンジを実施して、デザインや各種のメカニズムや装備を進化させる。それならクロカンSUVや商用車のように、10年以上に延ばせないのか。そこにはユーザーの乗り替え周期とのバランスがある。

 今の乗用車ユーザーの乗り替えは5年から7年が多い。仮に5年ごとに乗り替える場合、発売から2年を経過したクルマを買うと、これを手放す時は7年が経過している。フルモデルチェンジは行っていないがマイナーチェンジされた後期型を買ってもらえる。これが限界だ。フルモデルチェンジの周期を15年まで延ばすと、後期型を買ったユーザーが5年間乗って手放す時でも、まだマイナーチェンジ版を売っている。さすがに同じクルマを3回買ってもらうのは、不可能ではないが相当に難しい。ユーザーを逃してしまう危険が増える。そこで9年だ。

 日本国内では、ヴィッツの最終型は2010年に発売され、後継のヤリスに切り替わったのは2020年だ。これが実質的に乗用車の最長になる。そこでトヨタは9年と発表した。フルモデルチェンジの周期が延びると、中古車の販売では有利になる。フルモデルチェンジの周期が7年では、発売から3年を経過したクルマを買って5年間乗れば、発売から8年を経過して先代型になってしまう。それがが9年に延べれば、同様の買い方をしても現行型となり、有利な条件で売却できる。

 それでもひとつの車種を9年間にわたって作り続けるのは難しい。長い時間の経過に耐えられる先進的な設計を施す必要があるからだ。とくにプラットフォームは、各種の新しい法規にも対応できるように先を見据えた開発を行わねばならない。


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渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2026-2027日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
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13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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