この記事をまとめると
■ショベルカーや自衛隊の戦車などはキャタピラを装備している
■金属製のキャタピラもあるがこれでは法律上公道を走れない
■ゴム製のキャタピラや着脱式のゴムパッドを使用すると公道を走れる
公道を走るにはゴム製のキャタピラが必須
道路工事の現場で見かけるクレーン車やショベルカーなどは、タイヤではなく「キャタピラ(無限軌道・クローラー・履帯などともいう)」を装着している。数トンから数十トンにも及ぶ巨大な鉄の塊が舗装道路の上を移動すれば、アスファルトが削り取られてしまうなどといったことがないのだろうか。
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しかし、その心配は杞憂である。じつは、通過したあとの道路がボロボロになっていることはほとんどないのだ。その理由は、道路構造を守るために以下のような技術的工夫と、日本の法律に適合させるための対策が施されているからなのである。
・ゴムクローラーの採用
ミニショベルなどの小型重機では、強化ゴム製の履帯全体が一体成型された「ゴムクローラー」を採用するケースが非常に多い。金属部品が一切露出していないため、アスファルトの上をそのまま走行しても舗装を傷つけるリスクが皆無である。さらに、金属製に比べて走行するときの騒音や振動が大幅に軽減されるというメリットもある。
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・着脱式ゴムパッドの装着
ある程度の重量がある中型以上の重機で、鉄製の履帯(鉄シュー)を使用せざるを得ない場合は、鉄の板の上にボルトやクリップで「ゴムパッド」を装着する。これにより、金属が直接アスファルトに触れるのを防ぐ。現場に移動するときや舗装路面で作業するときに装着し、泥濘地や岩場では外して鉄シューの強力なグリップ力を発揮させる。
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そもそも日本の道路法に基づく「車両制限令」では、舗装道路上を通行する車両は原則として、キャタピラを有してはならないと定められている。ただし、「路面を損傷しない構造(ゴムクローラー等)」である場合は、例外として認められている。建機メーカーなどは、これに適合する製品を開発しているわけだ。
ちなみに、建設機械とは比較にならないほどの重量を持つ、陸上自衛隊の「戦車」はどうなのだろうか。たとえば、90式戦車は約50トンで、最新の10式戦車でも約44トンの重量がある。これほどの超重量級車両がアスファルトの上を走る場合には、これらの車両がもつ独自の特性が活かされているのだ。
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メカニズム的な大前提として、戦車は「接地圧(1cm2あたりにかかる重量)」が極めて低い。車体こそ重いが、太い履帯によってその重量を広い面積に分散させているからだ。その接地圧は一般的なクルマとほぼ同等か、条件によってはそれ以下になる。そのため、直進するだけであれば、アスファルトがその重みで陥没するなどといったことはほとんどない。
しかし、金属製の履帯のまま公道を走ると、「超信地旋回(その場での旋回)」などをした際に、鉄の爪がアスファルトを強烈に引っ掻いて削り取ってしまう。また、ブレーキをかけたときのスリップや騒音も問題になる。そこで、陸上自衛隊の戦車が演習場外の公道を自走するときには、建機と同様に「道路保護用のゴムパッド」を装着しているのだ。
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キャタピラは、悪路をものともしない駆動力をもつ。ぬかるみなど未整地の工事現場などでは、欠かすことのできないものだ。しかし、移動のためにはアスファルトの整地路を行かねばならないときもある。そういったときに、いちいちトレーラーなどで運搬していたのでは非効率である。ゴムクローラーやゴムパッドといった工夫は、そんな現場の声を生かして開発されたものなのであろう。