【新東名】浜松いなさー豊田東間ついに開通で、気になる使い勝手は? (2/2ページ)

新設の岡崎SAと長篠設楽腹PAにご当地メニューが並ぶが…

 また、この区間にはサービスエリア(SA)とパーキングエリア(PA)も新たに登場している。それがNEOPASA岡崎と長篠設楽原PAだ。今回は事前の取材会ではなく、あえて開通直後のそれぞれのパーキングエリアを訪れてみた。

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 NEOPASA岡崎は、上下線集約型(上り側、下り側の双方から利用できる)のサービスエリア。東海道五十三次の38番目の宿場である岡崎宿をイメージした上り線側と、フクロウの一種「コノハズク」をイメージした積み木をモチーフとした下り線側という二面性のある外観が特徴的な建物となっている。NEOPASAokazaki2

 トイレの脇には額田材(額田地域の間伐材)を使用した、額田中学校の木製ベンチが置かれていた。この額田材も実は首相官邸の閣僚応接室(TVでよく流れている、閣議の前に総理を中心に閣僚がコの字型に並んで座っている部屋)の調度品に使われているのだという。
「岡崎らしさをより一層特徴づけるためだという、岡崎市の伝統産業である石工技術を活かした道標型案内標識も並ぶ。okazaki

 フードコートの各店では、名古屋コーチンや八丁味噌を使った、この地ならではのメニューが並ぶ。だが「東海三県(愛知・岐阜・三重)最大規模」と謳っているものの、開通直後の混雑時期だったこともあってか、残念ながらその大きさや充実度合いの印象は正直なところ薄かったと言わざるを得ない。今後の集客にもよるだろうが、ぜひとも改善していただきたいところではある。

走りやすいが片側3車線ではないことが悔やまれる

Nagashino長篠設楽PAは、戦国時代の歴史好きな方ならすぐにわかるが、「ながしのしたらがはら」と読む。
「長篠・設楽原の戦い(または、長篠の戦=織田信長・徳川家康連合軍と武田勝頼軍との間で戦国時代の1575年に勃発した戦いのことで、武田軍は敗北)」の跡地に隣接している、ということで、上り線は武田軍の赤備えである朱塗りを配色した外観。下り線は、織田・徳川連合軍に見立て物見櫓・のぼり旗・馬防柵を再現するつくりとなっている。こちらはPAということもあって、施設としてはコンビニとトイレに付属のフードショップがあるという印象のみ。どちらの施設ももう少し魅力的なコンテンツがほしいというのが、同行したスタッフ全員の意見だった。NEOPASAokazaki6

 最後に、この55km延伸区間だが、残念なことに全区間が2車線のまま開通したことだ。取材日(開通3日後)は、大型トラック同士の追い越しなどもあり、ドライバーにストレスが溜る状況も多かった。新規開通した辺りは山間区間のため用地買収はそれほど難しとは考えにくいし、21世紀に増設する高速道なのだから、何も昭和の基準に照らし合わせたような道路設計ではなく、広々とした片側3車線にならなかったものかと悔やまれる。

 新東名(第二東海自動車道)は、これで西側の予定区間は開通したことになる。残るのは、海老名?御殿場間の54kmとなる。この区間の全線開通予定は平成32年(2020年)、つまり東京オリンピック開催年となっている。


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