【プリウス検証1】初代から最新4代目まで歴代プリウスを徹底比較! (2/3ページ)

歴代4世代に渡るハイブリッドの進化と真価とは?

 初代プリウスは画期的な存在だった。エンジンと電気モーターを組み合わせてガソリンエンジンを電気モーターがアシストするパラレル・モードと、エンジンは発電し電気モーターで走るシリーズ・モードを使いわけるシリーズ・パラレル方式と呼ばれる仕組みを開発した。

 それを実現させたのが動力分割機構。デファレンシャルギヤのようなコンパクトな装置で見事に達成してみせた。大容量のニッケル水素バッテリーを搭載しEVモードでも走れるなど、初代にしてほぼハイブリッドの完成形を実現していた。

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 ガソリンエンジンはアトキンソンサイクル1.5リッター直4の1NZ?FXE型を搭載。最高出力76ps/4500rpm、最大トルク115Nm/4200rpmを発揮させ、これに2CM型交流モーターを動力分割機構を介して連結させた。2CM型は最高出力33ps/1040〜5600rpm、最大トルク350Nm/0〜400rpmという出力特性で、1220kgという車重を軽々と走らせる。当時の10・15モード燃費は29.0km/Lだった。WEB CARTOP

 2代目は同じパワートレインを使用しながら昇圧回路が追加され、500Vという高電圧をモーターにかけることが可能となった。そのためガソリンエンジンのスペックは76ps/5000rpm、110N・m/4000rpmと僅かに抑えられたが、電気モーターはほぼ2倍にパワーアップされ68ps/1200〜1540rpmの最高出力と400Nm/0〜1200rpmの最大トルクという高出力化が果たされている。WEB CARTOP

 このころからシステム出力という表現が用いられるようになり2代目は110ps以上を85km/h以上で、474Nmを22km/hのときに発揮するとされていた。車両重量は1280kgとパワーアップ分に比べ微増であり、モード燃費は33km/L(10・15モード)まで向上している。WEB CARTOP

 そして3代目はガソリンエンジンが1.8リッターの2ZR?FXE型へと換装される。そのパワースペックは最高出力99ps/5200rpmに最大トルクは142Nm/4000rpmと強力だ。WEB CARTOP組み合わされる電気モーターも3JM型へと進化し最高出力は82psへと引き上げられたが最大トルクは207Nmに抑えられている。だがシステム合計出力としては132psと向上しており、動力性能では圧倒的な強みを誇りつつ燃費もモードで35.5km/Lに達するなど万能性を身につけている。WEB CARTOP

 そして新型4代目だ。新型のトピックスはハイブリッドシステムのみならずシャーシ、サスペンションなど多岐にわたっている。3代目と共通のエンジンは最高出力98ps/5200rpm、最大トルク142Nm/3600rpmへとわずかに抑えられ、若干低回転化が図られて実用特性を高めているといえる。WEB CARTOP電気モーターも1NM型となり72psの最高出力と163Nmの最大トルクとなりシステム出力も122psに。これに1310kgと軽量化が進化した車体が換装され、モード燃費はつ いに40.8km/Lに至ることとなった。4代目ではニッケル水素だけでなくリチウムイオンバッテリーも採用されており、今回のテスト車両に積まれている。WEB CARTOP


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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