2016年の国内最高峰レース「スーパーGT」の見所とは?[GT300編] (1/2ページ)

ニューマシン続々!今年もスーパーGT300クラスの戦いは見逃せない

 スーパーGTにおいて欠かせない存在と言えるのが、GT300クラス。日本の自動車メーカーが力を入れているGT500に対し、やや「脇役」感もあるカテゴリーだが、スーパーGTを好きになればなるほどGT300が気になっていく……という人も多い。近年は多種多彩な参戦形態があり、玄人好みのレース展開が人気を集めているカテゴリーだ。image

 GT300クラスはシリーズ創設当初こそ、ポルシェのワンメイクカップカーや古い規定のカテゴリーのマシン等々さまざまな車種が揃い、いわゆる“性能調整”によって多種多彩な成り立ちのマシンが平等に競うように設定するカテゴリーだったが、近年は2種類+1種類のカテゴリーのマシンが走っている。これをきちんと理解しておくと、GT300はもっと楽しめる。

 まず、近年多数派となっているのがヨーロッパを中心としたスーパースポーツをベースとする、FIA-GT3規定車両。ヨーロッパではGTカテゴリーの改造範囲が長い歴史を経て変貌してきたが、2005年にステファン・ラテル・オーガニゼーション(SRO)という組織が中心になって定められたのがGT3カテゴリー。最大の特徴と言えるのがマシンの市販価格上限と、ウエイト、エアリストリクターによって厳格な性能調整が定められていることだ。

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 当然、ユーザーが比較的安価で購入することができ(ここ2〜3年は価格が高騰しつつあるのが気になるのだが……)、パーツ等は自動車メーカー、もしくはメーカーから委託されたチューナーから購入しなければならない。車両は一度ホモロゲーションを受けたら改造することはできず、その手軽さから世界中でジェントルマンドライバーを中心に普及。日本でもGT3カテゴリーのマシンが大半を占めている。

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メルセデスAMG-GT3は、6.3リッターV8自然吸気エンジンが採用されている

 一方、日本車を中心に定められた改造範囲の中で、いちからマシンを作っていくのがJAF-GT車両。市販車と共通する部分は非常に少なく、市販車の外観の一部等は守らなければならないが、年間を通じて改造を行い続けることができる。ただしマシンのすべてを作り続けなければならないので、費用がかかる。そのため、近年は台数が減ってきていた。

 そのJAF-GT車両の費用の面を打開したのが、2015年に本格的に導入されたGT300マザーシャシー。これは車体の核となるモノコック、そしてエンジン等のパーツをスーパーGTを運営するGTアソシエイションが販売することで、費用を抑えている。日本のものづくり文化を育てる目的もあり、理論上チームが好きなマシンを仕立てることができる。


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