価格はノーマルにプラス30万の約182万円でNISMOテイストが!
昔からメーカー系ワークスチューナーが開発したコンプリートカーはいくつか存在していたが、それらの多くはごく少数を限定発売というケースが多かった。そういう意味では、そのメーカーに精通している熱心なクルマ好きに向けた「裏メニュー」のような存在であった。
また生産方法に関してもノーマルモデルとはちょっと異なり、メーカーから出荷されたノーマルをベースに不必要なパーツを取り外し、そこに独自のパーツを組みこむと、非常に手間と時間のかかる作業を行なっている。そのため、カスタマイズ内容に対して販売価格が高めになってしまうケースも多かった。
そんな日本のコンプリートカーを大きく変えたのが、日産のワークスチームであると同時に日産のワークスチューナーであるニスモ(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)である。2013年にワークス集団というスタンスはそのままに、日産のサブブランドとして新たな展開をスタートさせた。
その内容は「ニスモの魅力をより多くのひとに」、「日産車にさらなるワクワクを」をキーワードにコンプリートカー戦略走りのワクワクをプラスワークスの情熱を注入を発表した。日産との共同プロジェクトで開発が行なわれ。限定発売ではなく通常販売、更にはグローバル展開をスタートさせたのである。
日産と共同開発のメリットはニスモ独自で開発するよりも手を入れる範囲が広くなるという点だ。「本当はやりたいけど、収益を考えるとこれくらいで……」や「値段が高くてもこれだけやるから仕方ないよね」といったコンプリートカー開発における本音と建前がなくなるのだ。
メカニズムや意匠に関しても確実に手を入れやすくなるし、価格の面でもよりリーズナブルに提供することも可能になる。今回はニスモコンプリートモデルの中の末っ子、マーチ・ニスモを紹介していくことにしよう。