スズキ走行抵抗値不正の責任! 鈴木修会長がCEOを辞退・副社長が辞任

鈴木修氏CEOは辞退も会長職にとどまる

 株主総会を前に、スズキから取締役の異動に関する発表があった。

 先日から問題となっているように、同社は2010年以降、組織的そして全社的に、新型車の認証時における走行抵抗値について虚偽の申請をしていたことが明らかとなっている。その数字や実際の影響はともかく、クルマの認証という信頼性を担保するスキームにおける不正は、自動車メーカーとしてはありえないこと。国土交通省が立入検査を行うほどの大問題となっている。

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 そうした不正問題について、同社からは不正が起きた理由と対象モデルに対する報告・発表があった。今後の対策などは明確になっていないが、ひとまず原因を解明したことで、経営責任をとるタイミングになったということだろう。取締役の異動については、鈴木修 代表取締役会長がCEO(最高経営責任者)から辞退。四輪技術のトップである本田治 取締役副社長が辞任することになった。

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 本田氏が責任をとったカタチだが、今回の問題が四輪技術本部の閉鎖的な体質によるものだとスズキ自身が理由のひとつに挙げているだけに、四輪技術本部長をつとめてきた本田副社長の責任は大きいと判断したのだろう。そのほか、役員報酬の減額を行うなど経営責任の明確化を発表している。さらに『2010年4月以降現在までに、四輪技術本部のカーライン及び四輪エンジン第二設計部並びに技術管理本部法規認証部に関係した管理職を、就業規則に則り処分する。』と管理職の処分をすることも発表された。

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 こうして責任を明確にしたこと、コーポレートガバナンスの強化、内部通報制度の利用促進などにより、コンプライアンス意識の徹底をはかるという。また、走行抵抗を計測する設備の充実などの投資も行うということだ。

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 それにしても気になるのは、本田副社長の後に座る技術系トップが誰になるのか、そして修会長が辞退したCEO職に誰が就くのかという点。以前から高齢化が指摘されていたスズキの取締役会だが、この機会に世代交代が進むと考えるのが妥当だ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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