【日本初公開】トヨタ86シューティングブレークが作られた理由とは?

海外に根付く走りと使い勝手が両立したワゴンという文化

 7月31日に富士スピードウェイで開催される『86 Style with BRZ』で日本初お披露目となるトヨタ86 シューティングブレーク。2ドアクーペの新たな提案として開発されたコンセプトモデルだが、どういう意図を持って作られたクルマなのか、トヨタ・モータスポーツ本部・スポーツ車両統括部の岸 宏光さんに詳しい話をお聞きした。

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「86シューティングブレークは、オーストラリアから発信されたデザインコンセプトのクルマです。オーストラリアは、世界中で3番目に86が売れている国で、ユーザーイベントも盛んです。2013年に僕と多田が”Toyota Festival of 86”というオーストラリア版86Sのようなイベントに行きました。そのときに多田が『オーストラリアデザインとして、新しい86のコンセプトを提案してほしい』とオーストラリアトヨタのデザイナーに話したことから、シューティングブレークはスタートしました」

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「オーストラリアトヨタのデザイン事務所というのは、オーストラリアトヨタが自主的にデザイナーを採用していて、独自の展開をしているんです。もともとオーストラリアに工場があったときに開発セクションもそこにあって、何台かクルマを作ったんですが、コストの問題などいろいろとあって、今ではオーストラリアの工場は閉鎖しまいました。ただし、デザイン部門は残っていて、そのデザイン力の高さは評価されているんです」

「2014年に再びオーストラリアを訪れたときに、僕と多田に向けてデザイナーがプレゼンしてくれるというので話を聞くと、それがシューティングブレークについてだったんです。その内容は、86の軽快なハンドリングや水平対向エンジンによる低重心は崩さずに、ハッチ部分を大きくするというものでした」

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「後席の上部のクリアランスを10㎝高くすることで、身体が大きなオーストラリア人が楽に乗れて、たくさんの荷物を積める。海外では、シューティングブレークというモーターカルチャーが昔からあって、ちょっとリッチな人が、犬や猟銃を載せるのに重宝し、なおかつ走りがしっかりしている」

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「かつてはロータスエリートのように、スポーツカーでありながらシューティングブレークの機能をもったクルマも存在したが、今はそこに代わるクルマがないから、86でこういうコンセプトはどうだろうという風に、イラストを見せられた」webcartop_86シューティングブレーク06

 とのことだ。


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