【販売ランキングに異変】日産が32年ぶりに1位・2位独占と躍進した理由とは? (2/2ページ)

ドライバーがメリットを体感しやすい先進装備がポイント

 さて、もう1台の人気モデル「セレナ」は、2016年8月にフルモデルチェンジしたモデル。日本独自のカテゴリーといえる5ナンバーサイズのミニバン(スライドドア車)として長年トップモデルであったが、フルモデルチェンジをしてもライバルたるトヨタ・ヴォクシーに上を行かれることが多かった。

これはフルモデルチェンジ直後にアイドリングストップ機構の不具合で出荷停止となったことで、スタートダッシュを切れなかったことも影響していたのだろう。

 しかし、両手がふさがっていても足の動きでドアを開けることができる「ハンズフリースライドドア」、狭い場所でもリヤのラゲッジにアクセスできる「デュアルバックドア」といった使い勝手の良さはセレナだけの美点。

さらに、デビュー当時に自動運転技術と称した運転支援システム「プロパイロット」は、高速道路の同一車線というシチュエーションにおいて自動運転の利便性を享受できるもので、じつはロングツアラーとして使われることの多いミニバンとしてはライバルを圧倒する機能だ。

「e-POWER」と「プロパイロット」、いずれもドライバーが新体験を実感できる技術であり、まさに21世紀に蘇った「技術の日産」を象徴するハードウェアといえる。ある意味で市場の「脱ハイブリッド」マインドが、ノートとセレナの人気につながっているといえそうだ。

もっともセレナもマイルドハイブリッドを搭載しており、ノートはもちろん、両車ともにハイブリッドカーではあるのだが……。

山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

新着情報