【ニッポンの名車】ボディの小型化で軽快さを取り戻した日産S15型シルビア (1/3ページ)

「スポーツチューンドボディ」の謳い文句に恥じないボディ剛性

 S15シルビアは、1999年1月に7代目シルビアとしてデビュー。兄貴分のスカイラインも、同じく1999年1月に、R34GT-Rが発売になった。両者とも先代のS14とR33は、車体が大きくなって不評を買い、1999のフルモデルチェンジで、ダウンサイズ化を敢行。

 S15シルビアでは、全長で75mm、全幅は35mm、全高を10mm縮めて、再び5ナンバーサイズとなり、軽快な運動性能を取り戻した。そのうえで、16インチタイヤ装着車には、フロントクロスバー、リヤフロアステー、トランクバー、リヤクロスメンバーなど、補強パーツを投入。ステアリング関係とサスペンション取り付け部などの剛性アップと合わせ、エクステンションフロアの板厚まで厚くなり、ボディ剛性は格段に向上。

 日産も「スポーツチューンドボディ」を採用したとアピールしていた。そして何よりファンを喜ばせたのは、スポーツクーペらしさを取り戻したきれいでカッコいいエクステリアだ。

 シルビアは1965年に登場した初代から、スタイルは先進的なクルマが多かったが、このS15のデザインはかなり完成度が高かった。エンジン関係は、S13シルビアの後期から搭載されたSR20エンジンをさらに改良。S14まで、NA車はJ’s、Q’s、ターボモデルはK’sと名付けられていたが、このS15シルビアから、ターボ車はスペックR、NAはスペックSというグレード名が与えられている。

 そのターボのスペックRは、吸気系が改良され、ボールベアリングターボ、インタークーラーなどを装着し、S14のターボに対し30馬力プラスの250馬力にパワーアップ。NAでも165馬力だった。

 また、ターボ車にはクロスレシオの6速MTを新開発。しかし、この6速MTは、アイシン・エーアイ製で、マツダのロードスター(NB)や、トヨタのアルテッツァとの共用が前提だったので、ターボ車のS15シルビアには、強度的に余裕がなく、チューニングしてパワーアップを図る上では、ひとつのネックになっていた……。

 さらにスペックRには4ポッドキャリパーも与えられている。

  


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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