【試乗】路面に貼り付くゴルフRと優等生の標準ゴルフ! やっぱり凄いゴルフの底力 (2/4ページ)

ゴルフRとGTIはエンジンにも手が入った

 まずゴルフR。正確にはこのモデルとGTIだけは、エンジンの出力向上が施されている。しかもゴルフRには以前6速DSGではなく湿式7速DSGが新採用。しかし足まわりは基本キャリーオーバー。だが洗練されており、この乗り味の完成度は大拍手。ゴルフのなかでも高い価格設定ではあるが、コストパフォーマンスでは群を抜いているようにも思える。

VWゴルフ

 具体的には、路面への張り付き感が抜群。吸いつけられているという表現を使いたくなるレベルで、電子制御サスの効果と4輪駆動の効果は見逃せないが、加えて足まわりのしなやかさは当然としてボディの仕上がりが見事なのだ。VWゴルフ

 4つのタイヤを的確に結びつけた強靭なカタマリ感を出しながら、表現が難しいが的確にしなやかに微妙にボディが大きな力を「いなす」のが見事。要はタイヤや足まわりが処理しきれない大きな力や振動を、最後はボディという大きな容量を持つ鉄の塊が第2のサスペンションのように「いなす」ことで絶えず高い張り付き感を出している印象。VWゴルフ

 これが街乗りでは快適性にも繋がるし、スポーティドライブでは懐広くハンドルの追加操舵にも反応する自由自在感や、ダイレクトかつ素直な反応によるコントロール性の高さを生んでいた。もちろん微細な走行振動も収めてくれて、基本となる乗り味はしっとりしているし、ミドルセダン以上の高級感もある。VWゴルフ

 このようにただ速いだけではなく快適性まで高次元で備えたその完成度を、このボディに納めた作りは何度も言いたくなるほど見事。ちなみに湿式7速DSGもいい。乾式にありがちな変速時のショックや繋がりに硬さがなく、ダイレクト感を備えながら素早く変速されるうえに動力が途切れない。

 現時点では基本DSG以上にトルコンATが優れていると認識しているが、このレベルの滑らかさとダイレクト感の共存であれば今後も戦えると直感する。またエンジン自体の伸び感のある吹き上がりに加えて、2速から4速がかなりクロスしているギヤレシオと、迫力を備えた排気音が相まった加速特性にも魅力を感じたことは言うまでもない。VWゴルフ

  


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