【スバル360でアメリカ4000kmを激走】国沢光宏のグレートレース参戦記その2 (2/2ページ)

トラブルに見舞われるもリタイヤせずに初日を完走

昨日の燃料コックのトラブルも解消し、80km/hくらいの速度で走行(ちなみに絶好調でも90km/hくらいしか出ない)。本日は快調! と思われたが、ジャクソンビルのグランドスタート地点から競技区間のスタート地点に向かう途中でまたしてもトラブルが発生……。急にパワーダウンし、「ヒュ~」という異音が出てきてしまった。

エンジンが焼き付きかけている!? スバル360はガソリンとオイルを一緒に燃やす2ストロークエンジンを使っているが、1964年式はオイル専用のタンクをもうけた分割給油式となっていて、そこが壊れているかもしれないとのこと。ただ、初日は途中でメンテナンスできる時間がないため、ガソリンと2サイクルオイルを合わせた混合油を途中で注入しながら、様子を見つつ走行することにした。

国沢光宏

今日のコースは、ジョン M. ベゼア州立森林公園など、豊かな自然のなかを走りながら、北上していくコース。アメリカ大陸の中でも南よりの地域のため、湿気はそこそこだが、とにかく熱い! 今回も途中で気温36℃程度まで上昇したが、スバル360は当然、エアコンなし。エンジンも人間も、暑さとの戦いである。

スローダウンした際には、「リタイヤになるかと思った」と国沢さん。最後まで全開走行ができないような状況だったが、なんとか最後まで走りきり、規定タイムより約6分遅れの108位という順位でゴールした。

またコ・ドライバーとして初めて参加した小島さんは、まず初日はコマ図に慣れてミスコースしないように心掛けたとのこと。細い道に入るポイントを見逃しそうになったり、数十kmと続く長い直線道路で集中力が途切れそうになったりと大変な部分も多かったそうが、なんとか無事にラリーデビュー初日を完走で終了。「何も問題なかったから、明日は全部小島さんに任せる」と国沢さんも合格点を出した。

初日のゴールとなったティフトンの街も、まるでお祭り騒ぎのような状況。大歓迎でスバル360を迎えてくれた。地元の人の話し方にかなり訛りがあるような田舎町だが、まるで映画のセットのような古き良きアメリカの町並みに感動! こちらでも老若男女問わずスバル360が人気で、やはり意外と存在が知られているのが印象的だった。

国沢光宏

さて問題のトラブルだが、やはり分離給油装置の不具合だろうとのことで、スーパーメカニックの喜多見さんが、暗くなるまで緊急修理(ちなみに日の入りは夜8時半くらい)。分割給油式ではなく混合式に切り替えて走ることにした。

国沢光宏

明日はティフトンを出発し、テネシー州チャタヌーガを目指すルートになっている。果たして、今度こそスバル360を全開で走らせることができるのだろうか!?


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