直接的な燃料消費以外のエネルギー消費も考慮しなくてはならない
さらに現実的にいえばトランスミッション、エアコン、パワステなどのユニットも、エンジン始動とともに影響を受けます。家庭用エアコンにしても30分以内のOFFなら、ONにしたままのほうが消費電力が少ないという情報もあります。
エアコンもまた、起動時にエネルギーを多く必要とするのです。ナビなどもエンジンの停止・再始動で電源OFF・再起動となる場合もあります。ただしアイドリングストップ機構が装備されている場合には、そうした問題は少しずつ解決しています。
バッテリーは充放電に強いタイプの高価な高性能バッテリーとなり、エアコンやナビの管理も行われます。スターターモーターもジェネレーターも、強化された高性能タイプが採用されます。だから、アイドリングストップ機構付きのモデルは高価になるわけです。
過去に何度か実験したこともありますが、20秒がひとつの目安になると思います。右折レーンでの対向車の通過待ちなど、ほんの数秒では意味はないと思います。もっといえば、アイドリングストップからの再始動で、どうしても焦りやすくなり、アクセルを大きく踏んでしまう傾向が出てしまうとすれば、その逆効果はさらに大きくなります。また右折レーンからの発進でも、ふんわりアクセルを踏むのであれば、後続車への影響は大きく出やすくなることでしょう。
高価になるというのは、結局多くのエネルギーを使用しているということです。費やされたエネルギーの量が価格になっているのですから、当然です。たとえばレアメタルが高価なのは、土の中に含まれている希少な量の物質を何度も精製しながら、何とか使えるような形にするのに膨大なエネルギーが使われているからなんです。そういう意味では、エコ技術によって上昇した価格を、低燃費による燃料費低減で補えないようであれば、それは結局エネルギーを過大に消費していると言っていいのかもしれません。