佐藤琢磨のスポッター「ロジャー安川」が語る! インディ500制覇の裏側 (1/2ページ)

佐藤琢磨選手を中心に三位一体で挑んだインディ500

 2017年7月9日に、アメリカのアイオワ州にて行われたインディカーシリーズ第11戦。佐藤琢磨選手は、ホンダ勢最上位となる5番手スタートも、トラブルにも見舞われて16位フィニッシュとなった。

 そんな佐藤琢磨選手は先日、日本人初となるインディ500制覇の偉業を成し遂げた。その走りを陰で支えたのが「スポッター」と呼ばれる、走りの戦略をリアルタイムで支える役割を担った、ロジャー安川さんだ。ロジャーさんは自身もドライバーとしてインディカーを闘った経験をもつ。

佐藤琢磨

 今回はそのロジャーさん本人の手記を掲載したい。

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「佐藤琢磨選手インディ500優勝!」という、この伝統的なレースを制する快挙に、僕はスポッターとして携うことができました。ドライバーではなくスポッターと言う立場でしたが、一緒に戦うことができ、しかも日本人初優勝という歴史に携われて、本当に光栄に思います!

 今年のインディは練習走行から琢磨選手は快調な走りを見せ、予選も4位を獲得。確実に勝負のできるマシンに仕上がり、決勝もかなりいけるだろうと確信をもって、レースに挑む準備をしていたレース2日前のことでした。琢磨選手から突然のLINEで「明日Koheiと一緒にパレードに出よう!」と連絡がありました。

 自分はスポッターとしてずっと琢磨選手のサポートをしていますが、もうひとりKoheiさんは琢磨選手の体調、健康、フィジカル面をサポートするフィジオ及びトレーナーを務めています。僕の役割はオーバルだけとなりますが、Koheiさんは毎戦一緒に琢磨選手と戦っています。だからこそKoheiさんはスポッターと同じくらい、もしかしたらシーズンを通すとそれ以上に重要なサポート役なのです!

 我々の仕事は、琢磨選手が常に100%レースに集中できるよう不安要素をなくし、毎戦ルーティンとしてやっている事をしっかりと行ない、レースに万全で備えることです。そんな僕たちをパレードに誘ってくれたときは驚いたというか、自分が同乗しても良いものかと思う反面、今年はなんだか勝てる気がするという一心で図々しく乗ってしまいました! 隣にはアロンソ(インディ500にスポット参戦したF1ドライバーのフェルナンド・アロンソ)がいるだけに、パレードを盛り上げるぞという気合いも入ってましたけどね!? (笑)

 今思うとパレードのときから、チーム一体となり戦うんだと自分自身のマインドも、レース中の「ゾーン」に入っていく気がしました。

 レース・デーは朝起きてから不思議なくらいすべてがうまくいく。それは細かく言えばトイレに行くタイミングや、スポッタースタンドに辿り着くまでのすべてについて思うように時間は進み、不思議なことに「今日は敵なしだな」と思ってしまうくらいでした。そしてレースの詳細はここで記すまでもなく、完璧な内容でインディ500を制覇!

 このときに自分の頭に入ったのは、心からおめでとうだった! チェッカー直後に無線で伝えたいものの、本人は無反応!? どうやら本人曰くチェッカーフラッグが本当に振られていたのか、レースが終わったのか、状況を把握し実感するのに少し時間がかかったようです。しかしターン1に差し掛かる手前で「ウォ~!!」と感激の叫び声が無線を通して入り、その後に安心して僕は琢磨選手に日本語で「おめでとう!」と伝えることができました。

  


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