軽自動車にハイオク仕様がない理由とは (1/2ページ)

軽に求められるコスト要件と64馬力規制からハイオクを選ぶ意味が少ない

 ハイオクガソリンというのは、オクタン価が高いガソリンのことです。オクタン価というのは、ノッキング(異常燃焼)の起きにくさを数値化したものです。そのためオクタン価が高いと、エンジンの圧縮比を高くすることができ、その結果トルクが大きくなります。またエンジンの回転数を高くすることができるので、パワーも高くなります。そのためハイパワーを狙うスポーティなクルマや、高級車ではハイオク指定となっています。

 ちなみに輸入車はほぼ全車がハイオク指定になっていますが、それはヨーロッパなどでレギュラーガソリンとして扱われているガソリンが95オクタンなのですが、日本のレギュラーガソリンは89オクタンなので不十分で、96オクタン以上であるハイオクガソリンが必要になるためです。

 ハイオクガソリンはレギュラーガソリンに対して、1リッター当たり約10%前後、価格が高くなっています。これはレギュラーガソリンに対して、さまざまな添加剤を加えることでオクタン価を高めるだけでなく、エンジン内部の浄化機能などを持たせているためです。最近は低コスト化も含めて、ほとんどのモデルがレギュラー仕様となっています。

 軽自動車でハイオク仕様の設定がないのは、ひとつはそうした運用コストの問題でしょう。低コストな軽自動車だけに、レギュラー仕様であることは大事な要件かもしれません。

  

 もう少し探ってみましょう。大きな理由は、すでに64馬力というパワー規制値が存在することです。それ以上のパワーを出すことはできないので、ハイオク仕様にしてパワーアップさせる意味がないのです。


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