日本は年末発売予定! 超最高級車8代目ロールス・ロイス・ファントムが公開 (2/2ページ)

ダッシュボード上部にはアート展示スペースも

「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」の採用によって目に見える継ぎ目がほとんどなく、アルミの固まりから切り出したかのような印象を与えるエクステリアは、手作業で磨き上げられるステンレススチール製「パンテオン・グリル」を先代より高く持ち上げながら、初めて周囲のボディと一体化。頂部中央の「スピリット・オブ・エクスタシー」は、先代比で約1インチ高い位置に鎮座された。

また、内側を曇りガラスとしたレンズに、外周全体を覆うリング状のデイタイムドライビングライトが観る者の目を引くヘッドライトには、「レーザー・ヘッドライト・システム」を搭載。夜間に600m以上先の路面を照らすことを可能としている。

サイドビューは歴代ファントムが伝統とする2:1の比率、フロントが短くリヤが長いオーバーハング、直立したフロント・エンドと流れるようなリヤ・エンドを堅持。一体式のサイドフレームフィニッシャーは手作業で磨き上げられたステンレス製で、エクステンデッド・ホイールベース(EWB)仕様にはさらに、1ピース式のステンレススチール製ストリップが装着される。

リヤまわりは1950~60年代のモデルを想起させる流麗なルーフラインに、リヤガラスをステンレス製フレームで覆うとともに、初期のファントムと同じくトランクととはっきりわかる形状のトランクリッドを採用。その下端にはフロント・グリルと対を成すデザインのステンレススチール製フィニッシャーが与えられ、車両後部の気流を整える役割も果たしている。

「コーチ・ドア」と呼ばれる観音開きドアのドアハンドルにはセンサーを内蔵。助手や駐車係が軽く触れると、「エンブレース(抱擁)」としたコンセプトのとおり、乗員を優しく包み込むようにドアが閉まるよう設計された。

より快適性を高めるために手作業で製造されるシートには、幅の広さや快適性を強調すべく、上部に水平のラインが入る新デザインを採用。前席背面のカナデル・パネリングには、ボタン一つで展開・収納できる電動式リヤピクニックテーブルおよびリアシアターモニターを組み込んでいる。 後席には多彩な選択肢が用意され、より寛げるラウンジシート、格納式アームレスト付き個別シート、固定式センターコンソール付き個別シート、新たに導入されたスリーピングシートを設定。

固定式リヤセンターコンソールには、ウイスキーグラスやデカンター、シャンパンフルート、クールボックスを備えたドリンクスキャビネットが組み込まれるなど、大幅に機能が強化された。 さらに、シートヒーティング機能と連動する「ヒーテッド・サーフェス」付き「ファントム・スイート」には、フロントドアアームレスト、フロントセンターコンソールリッド、Cピラー下部、個別シートのすべてのリヤサイドアームレスト、リヤセンターアームレストなど、室内を全面的に温める機能がプラスされる。

「ギャラリー」をコンセプトとする直立したダッシュボードには全幅にわたり強化ガラスが用いられ、そのなかにクローム製フレームで囲まれた計器類やアナログ時計、宝石類を配置。さらに、ナビやドライバー・アシスタンス・システムを表示するLEDバックライト付き12.3インチTFTカラーディスプレイが装着された。

そして、ダッシュボード上部はアート展示スペースとされ、その強化ガラスの内側に、中国の有名なアーティスト、リャン・ヤンウェイ(Lian Yangwei)による秋の英国・サウス・ダウンズの風景にインスパイアされた油絵、ドイツのプロダクト・デザイン界の前衛作家、トルステン・フランク(Thorsten Franck)によるオーナーのDNAを3Dプリントで印刷した金メッキのプレート、世界的に有名な磁器メーカー、ニンフェンブルク(Nymphenburg)による手作りの陶器製のバラの茎、または英国の若手アーティスト、ヘレン・エイミー・マレー(Helen Amy Murray)の抽象的なデザインが施されたシルクなどを装着することが可能となっている。

最先端の自動車技術に贅を尽くした内外装、さらにはアートまで内包した、新型8代目ロールス・ロイス・ファントム。日本での発表予定はこの年末、政財界や芸能界の頂点を極めた真のリーダーたちにとって、最高のクリスマスプレゼントとなるに違いない。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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