【新型トヨタ・ハリアー詳細解説】上質な走りを生むシャーシの秘密 (1/2ページ)

ターボ車は前後にパフォーマンスダンパーを装備

 ビッグマイナーチェンジを実施し、2リッターターボエンジン車を追加したことで話題の新型トヨタ・ハリアー

 シャーシのチューニングで特筆されるのが、ターボ車のパフォーマンスダンパーの装備がある。これはヤマハ発動機が開発した「車体制振ダンパー」で、前後のサイドメンバー間に橋渡しで装着される。構造は、棒状の太い部分に単筒型の高圧ガス入りオイルダンパーを内蔵したもので、ボディ振動のようなストロークが小さい領域で減衰力が素速く立ち上がる特性をもたせてある。

トヨタ・ハリアー
振動とは小さな振幅なので、ボディに振動があるということは、そこについているサスペンションの取り付け位置なども動いていることになる。その振動を抑えることでサスペンションなどの動きが本来の状態に近くなるほか、乗員が感じる振動やノイズも減るため、操縦安定性はもちろん車両全体の質感も大きく上昇する効果を期待できる。

トヨタ・ハリアー
サスペンションでは、操縦安定性と乗り心地を高レベルに両立するため、FADショックアブソーバーを採用している。FADとは振動数感応という意味の言葉の頭文字。電子制御などの外部からのコントロールに頼らずに、路面や走行状況に合わせて特性を変えるパッシブ型の減衰力可変メカである。作動としてはコーナリングのような大きくゆったりした動きでは減衰力を高く保って操縦安定性を確保し、段差や荒れた路面での通過時のような小さく早い動きでは、減衰力を低下させて快適な乗り心地を実現する。


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