【新型トヨタ・ハリアー詳細解説】上質な走りを生むシャーシの秘密 (2/2ページ)

ハイブリッドはモータートルクを使ってピッチングを減少

 また、ハイブリッド車では専用装備として「ばね上制振制御」を備えている。こちらは、路面の凹凸に応じて、モータートルクをリアルタイムに制御することで、車体のピッチング(前後方向の角度変化)を少なくするものだ。たとえば、凸路面への通過でフロントがもち上がるときには、モータートルクを下げることで前下がりの動きを与えてやることでもち上がりをキャンセル。一方、凹部の通過ではこの逆を行なってフラットな乗り心地を提供する。

トヨタ・ハリアー
車両安定制御では、滑りやすい路面等で走行安定性を確保するS−VSCがある。これは、ステアリング制御(電動パワーステアリング)、ブレーキ制御(VSC,ABS)、駆動力制御(VSC,TRC)と協調制御を行ない、滑りやすい路面でのコーナリングで、車両の挙動が安定する方向に駆動力配分と操舵トルクをアシストする。

 ターボおよびガソリンの4WDシステムでは、ダイナミックトルクコントロール4WDを搭載する。こちらは、駆動力配分を行なうリヤデフへの電子制御カップリングをリアルタイムでコントロールして、常に最適な駆動状態にするもの。発進時や滑りやすい路面では、状況に応じた最適なトルクをリヤに配分し、コーナリング時はステアリングの操舵量からドライバーの意図するターゲットラインを算出。車両の挙動に応じて、きめ細かくリヤへ配分する。4WDではS-VSC+ダイナミックトルクコントロール4WDの協調制御となる。

 先進安全装備に関しても触れておきたい。今回、トヨタ・セーフティセンスPが加わった。これはフロントウインドウ上部の単眼カメラとフロントグリル内側にあるミリ波レーダーで前方の状況を検知する安全支援システム。車両のほかに歩行者も認識し、ドライバーがブレーキを踏んだ場合はプリクラッシュブレーキアシストを。そしてブレーキを踏めなかった場合はプリクラッシュブレーキを作動させて、衝突回避または被害軽減を図る。

トヨタ・ハリアー

 また、車線逸脱警報のレーンディパーチャーアラート、夜間走行時のヘッドライトの切り替え操作を軽減するアダプティブハイビームシステム/オートマチックハイビーム、レーダークルーズコントロールも備え、安全だけでなく、疲労を減らす装備がセットになっている。


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