全日本とアジパシラリーの併催で熱く燃えたラリー北海道の激闘をリポート (2/2ページ)

全日本ラリーはスバルWRX STi同士の闘いの末に表彰台独占!

 一方、同時開催のJRC第7戦においても、三菱ランサーを武器にオープニングステージで2番手につけていた奴田原文雄がSS2でまさかのコースアウトを喫し、その日の走行を断念。さらにスバルWRX STiを武器に前戦の洞爺湖で今季初優勝を飾った鎌田卓麻は、地元である北海道で開催されるラリー北海道でも連覇を予感させるほど自身をみなぎらせていた。

 というのも、前戦から投入したDUNLOPタイヤの195/65タイヤとの相性が抜群にいいらしく「ずっと開発をお手伝いしていたので、僕の運転スタイルに合っているんだと思います」と語っていた。その言葉どおりにSS1、SS2で連続ベストをマークしていた鎌田だったが、ジャンプの着地時にホイールごと破損してSS3でパンクに祟られて、8番手まで後退するなど波乱含みの展開で幕を開けた。

 そのなかで抜群のスピードを披露したのが、スバルWRX STiを駆る新井敏弘だった。計4本のSSでベストタイムをマークし、デイ1をトップでフィニッシュする。2番手は同じくスバルWRX STiを駆り現在JRCでランキングトップを堅持している勝田範彦が続いた。

 勝田はシリーズランキング2位に付けているライバルの怒田原がSS2で早々にコースアウトを喫したために速さを極めるドライビングではなく、着実にポイントを稼ぐクレバーな走りを見せていた。パンクで遅れをとった鎌田だったが、それでも4本のSSウインを獲得するなど猛追を披露し、鎌田は3番手まで順位を上げてデイ1を走り終えた。

 結局、デイ2でも新井と鎌田は6本のSSでトップタイムを3本ずつ分け合うなど壮絶な闘いを繰り広げるも、デイ1でのパンクで遅れた致命傷を鎌田は取り戻すことが出来ず3位となった。ポイント争いでランキング首位に立っている勝田も攻める走りから守る走りで2位につけ、シリーズの闘いを有利に進めた格好となった。

 そして優勝は、国内最高峰のJN6クラスで今季2勝目を飾った新井敏弘が飾ることになった。スバルユーザーが、1-2-3位の表彰台を独占する形だ。それでも優勝した新井は、鎌田の速さとDUNLOPが投入した195/65のナロータイヤを相当に警戒しており、自身が履くヨコハマタイヤのサービス隊に開発を急ぐように忠言していたのが印象的だった。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

愛車
スバル・フォレスター
趣味
登山
好きな有名人
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