ガソリンスタンドの店員が静電気除去パッドに触れない理由とは

静電気が溜まらない制服を着用する上帯電しにくい条件にある

 日本全国的な傾向としてガソリンスタンドは減っているが、そのなかでセルフ式の店舗は微増傾向にある。その理由として、「給油の手間以外の煩わしさがない」、「必要なことだけスムースに済むので短時間で給油できる」といったユーザー側のマインドもあれば、「設備投資は必要だが人件費的に有利」といった経営者側の意思もあるだろう。ガソリンスタンド

 それはさておき、セルフ給油をしているドライバーならご存知のように、給油前には静電気除去をすることは必須。そのためにタッチパッドが用意されている。しかし、フルサービス式のガソリンスタンドでは給油前のスタッフが、静電気除去パッドに触れるなどの行為をしていないことに気付いているだろうか。

 まず、ひとつ言えるのは、ガソリンスタンドのスタッフは静電気が帯電しづらい状況にある。基本的に「静電気帯電防止作業服(これはJIS規格の呼び方)」の基準を満たした制服を身につけていることが大きい。また、常に地面に足をつけていたり、金属の車体に触れていたりするので帯電しづらいのだ。

 一方で、セルフ給油ではドライバーがクルマから降りる際に、シートと衣類が擦れることで帯電しやすい状況であるし、着ている服についても静電気対策を考えたものとは限らない(むしろ、静電気を起こしやすい化繊のことが多いだろう)。そうなると、放電の機会というのはフューエルリッドに触れる瞬間になりがちで、非常に危険。だから、給油作業に入る前に、静電気除去パッドをタッチすることが必要となる。

 なお、工業規格を満たした帯電防止の衣料は、作業服などの専門店などで扱っている。セルフ給油とは関係なく、冬場の静電気がどうしても気になるという人は、そうした服を探してみるのもいいだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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