ボルボが発売直後の新型XC60のみを展示した理由とは? 【東京モーターショー2017】

2リッターガソリンターボのT5を2台とPHVのT8も展示

 2017年10月28日から一般公開が開始された第45回東京モーターショー2017。西展示棟1階中央の広場「アトリウム」にブースを構えたボルボは、10月16日に発売したミドルサイズSUV・新型XC60のPRに注力。展示する3台ともXC60で揃えてきた。

 しかも、そのうち2台は254馬力/350N・m仕様の2リッター直4直噴ガソリンターボエンジンを搭載する売れ筋グレード「T5 AWDインスクリプション」、もう1台は318馬力/400N・m仕様の2リッター直4直噴ガソリンスーパーチャージャー&ターボエンジンと87馬力/24.5kg-mのモーターを組み合わせた最上級モデルのPHV仕様「T8ツインエンジンAWDインスクリプション」だ。

 新型XC60は90シリーズ(XC90、V90、S90)から採用された新世代のプラットフォーム「SPA」(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)と、トールハンマーをモチーフにしたLEDヘッドライトをはじめとする新たなデザインフィロソフィで構築された内外装を、XC90よりもコンパクトなボディに適用し、車格を超えた質感を備えている。

 だが、まだ発売から1年強で今なお鮮度が高い90シリーズや、もっともコンパクトで手に届きやすいV40を、なぜ展示しなかったのかという疑問をそのままぶつけると、ボルボ・カー・ジャパン広報の答えは明確だった。

「XC60はまだ発売直後で、必ずしもディーラーで実車を見られるとは限りません。ですから、多くのお客様が集まるこの東京モーターショーの場で、ご覧いただけるようにしたのです」。

 しかも「T5 AWDインスクリプション」は、内外装色も人気の高い仕様をチョイス。「T8ツインエンジンAWDインスクリプション」は価格も884万円と高額な最上級モデルのPHV仕様のため、今後デリバリーが本格化してもディーラーで見られる機会は決して多くはないだろうという判断から、“究極のXC60”として展示したようだ。

 190馬力/400N・m仕様の2リッター直4直噴ディーゼルターボエンジン「D4」と、320馬力/400N・m仕様の2リッター直4直噴ガソリンターボエンジン「T6」搭載モデルは、デリバリーが2018年第一四半期以降になるという事情からも、今回の展示内容となっているが、「一般公開日にお客様からどのような反響をいただけるか、今から楽しみで仕方がありません」という広報部。ボルボのなかでも高い人気を誇るXC60を会場で確認してほしい。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

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