スタッドレスタイヤは夏タイヤと同じ「クルマの指定空気圧」でいいのか?

標準タイヤとサイズが同じなら適正空気圧でOK

 本格的な冬となって、スタッドレスタイヤが出番となる季節。早めに交換したのはいいけれど、そういえばスタッドレスタイヤの適正空気圧はいくつなのか? クルマのドアの内側に貼っている指定空気圧のシールは夏タイヤのデータだし……。スタッドレスタイヤ

 と思うかもしれないが、じつはスタッドレスタイヤも、クルマごとの指定空気圧に合わせたときに一番性能が発揮できるよう設計されている。というわけで、標準装着タイヤと同じサイズのスタッドレスタイヤを履く場合は、車種ごとの指定空気圧に合わせればバッチリ。

 一説では、アイスバーンは空気圧が高めの方がいいとか、新雪は低めがいいとか、いろいろな説もあるようだが、一般的には昼も走れば夜も走るし、いろいろなシチュエーションを走るので指定空気圧に合わせるのがベスト。

 それよりも大事なことは、空気圧を調整するときはタイヤは冷えている状態(冷間)で合わせること。ちなみにタイヤの空気圧は、気温が10℃高くなると10kPa上昇し、気温が10℃下がると10kPa下がる。そういう意味で非積雪地域から寒冷地に行くときは、指定空気圧よりも10kPaぐらい高めにしてから出かけてもいいかもしれない。

 また、夏タイヤでもスタッドレスタイヤでも、1カ月に平均で、10~20kPaの空気圧は自然に抜ける。こうしたことを考慮すると、ズボラな人は、指定空気圧+10~20kPaぐらいに合わせたほうが安心といえる。(タイヤは空気圧が低いよりは、高い方がマシ。本当は月に一度空気圧の点検をしたほうがいい)

 余談だが、雪道はタイヤの幅を細くした方がグリップするという話があるが、これについては一長一短。細いタイヤの方が、接地面の面圧が高まるからグリップ力がいいと言われていて、雪質によっては確かにグリップが増すこともある。しかし、凍った路面ではタイヤが路面に密着する面積が大きい方がグリップするので、細いタイヤはグリップダウンすることに……。

 トータル性能で考えると、標準装着のタイヤサイズのスタッドレスタイヤを履くのが一番安心。オプションでインチアップした夏タイヤを履いている人の場合、スタッドレスはノーマルサイズに戻した方が、性能バランスとコストの面でメリットがあるといえるだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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