いまどきのクルマは牽引フックが見えない! ねじ込み式が主流になった理由とは (2/2ページ)

カスタム派にもメリットがある!

 また、バンパー下部にフックを設けていると、それ自体が攻撃性を持つこともあるが、そうした部分でも安全面でプラスになるといえる。ほかのメリットといえるのがバンパーの保護だ。ノーマル状態であれば問題になることはないが、リップスポイラーなどを装着していると、バンパー下に常備されたけん引フックにロープをかけて引っ張ると、ロープがエアロパーツにこすれてしまうことがある。そのためメーカー純正のエアロパーツでは、そうしたクリアランスを確保したデザインとする必要があったし、アフターのエアロパーツではけん引時には取り外す必要があった。

 しかし、ねじ込み式フックであれば、そうした手間や心配は不要となる。また、ノーマルのデザインにしても、フックの逃げが不要となることで幅が広がるという面もあるだろう。とくに燃費に貢献する空力性能が求められる昨今では、そうした自由度の高さは車両全体としてみてもメリットだ。

 なお、けん引フックは指定部品(容易に取り外しできる部品)のため、ねじ込み式けん引フックを付けたままでも、保安基準での問題はないといえるが、装着したままで走行することは歩行者保護の観点からはネガティブといえるので、必要なときだけ装着するようにしたい。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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