空になるとエンジンが始動しないことも! ディーゼル車で使用する「尿素」の意味と役割とは (2/2ページ)

名前から想像できるとおりおしっこに含まれる成分

 尿素というのは、おしっこに含まれている成分ですが、アドブルーというのはドイツ自動車工業会の登録商標になっていて「ブルーテックのシステムで使える尿素水」の基準に達したものを指し、ガソリンスタンドなどで実際に販売されています。燃料と同じようにアドブルーを補給する必要があり、車種によってはアドブルーが空になってしまうとエンジンが通常どおりにスタートしないというモデルもあります。

尿素SCR

 尿素を使わないディーゼルエンジン用のNOx処理システムもあります。その手法はNOx吸蔵還元触媒というものです。NOxを触媒に追加した金属に吸着させておいて、それを燃料成分によってN2やH20へと変換するメカニズムです。燃料によって作動させるので、どうしても燃費が悪くなり、またエンジンオイルが燃料によって薄まってしまうのでオイルのメンテナンスには十分な注意が必要になります。ただしブルーテックのようにアドブルーを補給する必要がないので、一長一短でしょうか。

 システムがシンプルなNOx吸蔵還元触媒ですが、高価なレアメタルを使用するので、容量が大きくなる大排気量エンジンには向いていません。また耐久性の面でもNOx吸蔵還元触媒の性能低下が課題でもあり、高度な制御技術も必要になります。それで大型トラックなどでは尿素SCR触媒を使うのが一般化しているんです。


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