空になるとエンジンが始動しないことも! ディーゼル車で使用する「尿素」の意味と役割とは (1/2ページ)

排ガスの有害成分NOxを変換するために使う

 ガソリンエンジンが生み出してしまう排出ガスのなかで、有害成分として規制されているのは、燃料の成分で未燃焼で出てくる炭化水素(HC)、不完全燃焼で発生する一酸化炭素(CO)、そして高温高圧下で発生する窒素酸化物(NOx)です。ディーゼルや直噴エンジンでは、これに粒状化物質(PM)が加わります。三元触媒によって、HCとCOは水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に、NOxは窒素(N2)と酸素(O2)へと無害化されます。これが基本的な排出ガスの浄化システムです。

尿素SCR しかしディーゼルエンジンでは大量のNOxが排出されます。そのNOxを処理するのに三元触媒はディーゼルエンジンの燃焼では十分に機能しないので、違ったシステムを使います。その手法のひとつが尿素SCR触媒というもので、これによりNOxを窒素(N2)と水(H2O)へ変換します。そのときアンモニア(NH3)を使うのですが、アンモニアは毒性があるので、そのままクルマに搭載するわけにいきません。それで尿素を積み、高温の排気ガス中に噴射することでアンモニアを生成し、SCR触媒を機能させるわけです。尿素SCR

 ブルーテックというのは、そうした尿素SCR触媒を使ったシステムの名前で、アドブルーというのはブルーテックに使用する尿素水のことです。トラックやバスなどの大型車両や高性能な乗用車では、ブルーテックがひとつの回答となっています。

尿素SCR


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