【試乗】もっと静かに! より乗り心地よく! 新型トヨタ・アルファードの快適性が大幅進化 (1/2ページ)

最上級グレードの2列目席座り心地は圧倒的

 2015年1月のデビューからきっちり3年、国産ミニバン最高峰の“大空間サルーン”アルファード&ヴェルファイアがマイチェンを行った。ここでは3代目となるアルファードのHV、エグゼクティブラウンジSの試乗リポートをお届けしたい。

トヨタ・アルファード

 まずは新型アルファードのハイライトから。今回のマイチェンの目玉はまず第二世代のトヨタ・セーフティセンスを全車に標準装備したこと。これまでアルファード&ヴェルファイアの先進安全運転支援機能はトヨタの中でもタイミング的にちょっと立ち遅れていた感ありだが、このアルファード&ヴェルファイアから普及を目指した最新のセーフティセンスが採用されることになった。

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 単眼カメラとミリ波レーダーによる機能のひとつがいわゆる自動ブレーキで、カメラの性能向上に伴い、昼間の自転車や夜間の歩行者にも対応。大きな特徴となるのがレーントレーシングアシストで、速度制限なしになった渋滞追従機能付きレーダークルーズコントロール作動時に、車線維持に必要な運転支援操作(ステアリングアシスト含む)を行ってくれるもの。

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 また、ロードアサインアシスト(標識認識機能)、先行車発進告知機能も加わった。さらにバック時の安全を確保するリヤクロストラフィックアラートや、個人的には自動ブレーキの次に重要だと思っているブラインドスポットモニターを新設定している。

トヨタ・アルファード

 そして内外装のリフレッシュ。とくにアルファードの顔の変化幅はヴェルファイアより大きい印象。立体表現を強めたよりダイナミックでアグレッシブな表情となり、評判もなかなかだという。

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 さらにVIPユーザーの要望に応えた、マイチェン前にはなかった最上級のエグゼクティブラウンジのエアロ仕様を追加。ここで試乗したエグゼクティブラウンジSはまさにそのグレードだ。ただしガソリン車のエアロ仕様と違い、タイヤは18インチではなく17インチ。そもそもエグゼクティブラウンジはショーファー的な使い方のモデルだけに、乗り心地重視の専用サスペンションを採用する。それと相性がいいのは、開発基準タイヤでもある17インチなのである。

トヨタ・アルファード

 ところで、今回の試乗会で用意されたアルファード&ヴェルファイアのほとんどがエグゼクティブラウンジ。その理由は進化幅がもっとも大きいから。

 マイナーチェンジでは全車のダンパーに微低速から高減衰を出せる新バルブを採用。操縦安定性を高めフラつきやビリビリした振動を低減するとともに、Aピラー、スライドドアまわりに構造接着剤を追加して剛性を高めている。

 また、トヨタ最上級ミニバンにふさわしい静粛性を確保するためダッシュボード、フェンダーライナー、スライドドアステップ内部などに吸音材を張りめぐらし、ドアミラーベースの形状を変更するなどして約4%の静粛性向上(具体的には1-3列目席の会話が容易になった)を果たしている。

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 その上で、エグゼクティブラウンジではフロントドア、スライドドアのガラスを防音性能に優れた合わせガラスとし、ドアの密閉度を高めている。

 これまでひじ掛け部の振動が気になった2列目エグゼクティブラウンジシートのシートレールの厚みを1.5倍にし、背もたれに内蔵されている振動低減のためのダイナミックダンパーを改良。約20kgもあるという多機能スイッチ内蔵の車体外側のひじ掛けを補強して、VIP専用席の乗り心地、快適度を改善したというわけだ。

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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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