【試乗】もっと静かに! より乗り心地よく! 新型トヨタ・アルファードの快適性が大幅進化 (2/2ページ)

1列目と3列目の会話も問題なくできる静粛性を確保

 本来、ショーファーカーであるエグゼクティブラウンジの評価はファーストクラス感覚の豪華な2列目席の居心地で決まるのだが、一応、運転した印象もお伝えしておこう。

トヨタ・アルファード

 出足はモーターだけの走行が基本だから、文句なく静かでスムース。そこから2.5リッター直4、152馬力、206N・mのエンジンが始動しても、エンジンが発する音源は今回の吸音材追加で見事に遮断される。たとえエンジンを高回転まで回すようなシーンでも車内は静かに、平和に保たれる。そう感じさせる理由のひとつが、1-3列目間でも会話が容易なこと。250キロヘルツのザワザワしたノイズを取り除き、1キロヘルツあたりの日本人の声を通りやすくした結果なのだという。

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 パワーステアリングはじつに軽く扱いやすさ抜群。街中の交差点、カーブではサスペンションがしなやかに動き、首都高のカーブ、高速レーンチェンジでの車体の動きはほぼ水平感覚。グラリとするだらしなく不安になる挙動とは無縁だ。タイヤは設計基準の乗り心地にもっとも優れた17インチだから、段差越えなどでもショックは軽微。快適感、フラット感極まる乗り味を示してくれる。

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 加速性能はアルファード&ヴェルファイアのランキングで言えば2番目。わかりやすくメーカー値の0-100km/h加速タイムで表すと、2.5リッターガソリンが約11.3秒、新3.5リッターV6が約8.2秒(従来ユニットは8.5秒)、そしてこの2.5リッターエンジンにフロント143馬力/270N・m、リヤ68馬力/139N・m のモーターアシストが加わるシステム出力197馬力のHVは10.7秒となる。

 そして、後席、いや2列目エグゼクティブラウンジシートの乗り心地&静粛性の向上は歴然。シートに伝わる振動が低減し、移動しながら文字を書くような場面でもまったく問題なし(マイチェン前は微振動のため文字を書きにくかった。個人的な感想ですが……)。振動低減は長時間の着座での疲労低減にも直結。ちなみにシートスライド位置は、前寄りの方がさまざまな理由で快適なんだそうです。

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 限られた時間ながら試したレーントレーシングアシストは、レーダークルーズコントロールなしでも「車線中央を維持する」機能は別として、車線を逸脱しようとすると警告し、ステアリング振動とともに車線内に穏やかに引き戻してくれる機能を有するが、その引き戻し作動は車高、重心の高いクルマだけに穏やか(作動が強いと不安定になりがち)。

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 たとえば最新のボルボのように、自然かつ強力に戻してはくれない。また、レーントレーシングアシストが作動していても、天井から光が差すトンネルなど光のコントラストが強すぎる場面では単眼カメラの性能の限界があり、キャンセルされることも(すぐに復帰するが)。自動運転ではなく、あくまでドライバーのサポート……というのが現時点でのトヨタの見解だ。

 とはいえ、レーントレーシングアシストを含む第二世代セーフティセンス(トヨタ全車種に適応予定とか)の採用は、エグゼクティブラウンジに標準装備されるブラインドスポットモニター、リヤクロストラフィックアラートとともに、アルファード&ヴェルファイアの先進安全運転支援機能がマイチェン前に比べ、飛躍的に進化していることは間違いない。VIPも一般ユーザーも、より安心安全快適な移動、ドライブが可能になった。

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 ちなみにエグゼクティブラウンジのHV、V6比率は4:6と、VIPニーズとしては大排気量、V6という記号性、絶対的な加速力で勝るV6に軍配が上がっているが、個人的にはVIP(芸能関係、アーティスト関係、高級快適指向の一般ユーザー含む)だからこそHVを薦めたくなる。

 というのは、HVならではの100V/1500Wコンセントの存在だ(ガソリン車は100V/100W)。これがあれば車内で小電力のドライヤーや電子レンジなども使うことができ、移動中にヘアメーク、秘書が用意する食事もしやすいはずだ。多忙極まるVIPや芸能関係者なら、こちらのほうが便利に思えたりする(庶民的発想か?)。

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 もっと言えば、3.5リッターV6よりHVのほうが同グレード比で高価。欧州の高級車が続々4気筒ベース+過給気、HV、PHVを採用している時代でもあり、「イチバン高いやつもってこい」となればエグゼクティブラウンジのHVなわけで……。

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