高速を降りたあとの一般道への合流車線で見かける停車トラックは違反?

合流車線が一般道か高速の一部かは場所で分かれるがいずれも違反

 高速道路で目的のインターに到着し、料金所を通過。ランプウェイを走って一般道に合流しようと思ったとき、その肝心な合流車線にトラックが駐停車していてドキッとしたことはないだろうか。

 合流時は加速しつつ、本線を走ってくる後方のクルマの位置も確認しなければならないので、合流車線の駐車は迷惑だけでは済まずに危険な存在。にもかかわらず、あまり取り締まりを行っているようには見えないのだが……。

 法律上はどうなっているのだろう? 高速道路上は、ご存じの通り「駐停車禁止」。危険防止のため一時停止や、故障などで(十分な幅のある路肩や路側帯に)やむを得ず駐停車するとき、そして料金の支払いなどのため停車するときを除き、高速道路上に駐停車すると道交法違反で、罰則の対象となる。

 したがって、高速道路の料金所から一般道に合流するまでのランプウェイも「高速道路」の一部だとすると、合流車線での駐停車も完全にアウト。

 しかし、あの合流車線が高速道路の一部なのか、それとも一般道に含まれるのかは微妙なところ。「NEXCO東日本お客様センター」に訊ねてみても、「インターチェンジの構造その他でケースbyケースになるので、一概には言えない」とのこと。

 では、仮にあの部分が一般道の管轄だとするとどうなのか。一般道の場合、じつはあの手の合流車線は道路交通法の「交差点」の扱いになる。そして「交差点とその端から5m以内の場所」は、(標識がなくても)駐停車禁止の場所に指定されている。

 つまり、高速道路の一部だろうと一般道の扱いだろうと、駐停車禁止エリアなのは間違いない。

 ではなぜ、合流車線に止まっているトラックは減らないのか。そして頻繁に見かけるにもかかわらず、取り締まりにあわないのか。

 理由としては、あそこに止まっているトラックには、ドライバーが乗車したまま休憩していることがほとんどだからと考えられる。

 道交法によると「駐車」とは、「車が継続的に停止することや、運転者が車から離れて、すぐに運転できない状態での停止」となっている。このことから、ドライバーが乗っている状態のクルマを「駐車」というのは難しいのだ。

 一方、「停車」とは、「人の乗り降りのための停止、5分以内の荷物の積みおろしのための停止、運転者がすぐに運転できる状態での短時間の停止」となっているので、停車違反を問うことはできるはずだが、ドライバーがクルマから離れていないケースでは、違反者を見つけても注意・警告で済ませているのがほとんどというのが現状らしい。

 NEXCOでもパトロール車が発見したり、利用者から指摘(通報)があれば、停車しているドライバーに移動するよう促しているとのことだったが、イタチごっこというか、あまり効果があるようには思えない状況が続いている……。

 物流業界も大変な時期で、トラックドライバーの労働環境も厳しいというのはよくわかる。また、トラックが休憩できるスペースが不足しているのも事実だろう。

 そうした中で、苦肉の策として、合流車線を休憩スペースに使っている事情もわからなくはないが、あそこに大きなクルマが止まっているのは歓迎できない。

 オマケに、駐車したついでに路肩へゴミを捨てていく不届きものも少なからずいて、世間から厳しい目で見られていることも……。

 そうしたことを踏まえ、関係者、とくにトラックドライバーには、一層のマナー向上に努めてもらわないと、やがて厳罰化を望む声が大きくなってくるだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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