夫婦ケンカの種を解消できるファミリー層必見の軽自動車5台はこれだ!

優れた使い勝手がお出かけ時のストレスを軽減する

 子どもを育て上げるのにかかるお金は、1人あたり2000万円必要だ、なんて言われる時代。そんなコト聞いちゃうと、我が家のドコにそんな大金があるんだ〜? って、急に節約モードになりますよね。そんな子育て世代にとって、やっぱり維持費が抑えられる軽自動車は気になる存在です。

 でも、昔よりかなり広くなったとはいえ、軽自動車をファミリーカーにするのは1LDKに一家4人で暮らすようなもの。買う前にいろいろ考えてチェックしておかないと、家族の不満が炸裂して喧嘩勃発は目に見えています。そこで今回は「もしも我が家で軽自動車を買うなら……?」そんな妄想をしてみたいと思います。

1)スズキ・スペーシア

 我が家は夫婦と3歳の子どもの3人家族ですが、近くに住む義母もしょっちゅう一緒に乗るので、ほぼ4人フル乗車状態になります。そうなると、まず考えられるのは前席と後席で「暑い・寒い」の温度差問題。とくにパパは冬は寒がり、夏は暑がりというワガママさんなので、ほかの家族とまったくエアコン設定温度が合わない!

 こないだの大雪の時なんて、車内がサウナみたいに暑くて「何コレ?」と思ったら、エアコンが32度設定になっていました。ここは沖縄かよっ! とまぁ、そんなツッコミをしたくなるファミリーには、スズキ・スペーシアがオススメです。スーツケースをモチーフにしたデザインが女ゴコロを鷲掴みのスペーシアは、そうした各席での温度差問題を解決すべく、エアコンの風を素早く循環させて車内の温度を均一にしてくれる、「スリムサーキュレーター」付き。

 これまでにも日産デイズルークスや三菱ekスペースに同様の装備はあったのですが、スペーシアの素晴らしいところは、それに加えてエアコンを強くしても前席の人に直撃しないように、風量調節機能だけでなく風を拡散させる機能が付いているところです。

これなら、メイク崩れやシワの原因となる乾燥をなんとしても阻止したいママの顔面直撃を避けながら、後席まで快適なエアコン調節ができるというわけです。赤ちゃんや小さな子どもも汗っかきで、冬でも車内で暑がったりしますから、こうして快適な温度が保ちやすい軽自動車なら、子どものグズりが減ってママのストレスも減少。これでパパに当たる回数も減ることでしょう。

2)ダイハツ・タント

 さてお次は、お疲れ気味のパパがめんどくさい問題。「たまの休日なんだから家でゴロゴロさせてくれよ〜」とゴネるパパを無理やり連れ出して遊びに行く、なんてときのパパって、かな〜りめんどくさくないですか? 頑張って運転していってくれても、途中でウトウト居眠り運転寸前で危なっかしいし、それなら後ろで寝てればと運転を代われば、いちいちママの運転にダメ出しをし始めるし。いっそのこと後席で爆睡してくれた方が気がラクだっつーの。

 ってことで、後席の前後スライド機能やリクライニング機能がものすごく重要になってきます。そのあたりがとっても使いやすいなぁと思うのは、ダイハツ・タント。助手席側がピラーインドアでガバッと大きく開く「ミラクルオープンドア」ばかり注目されるけれど、タントは後席が左右別々に24cmもスライドする上に、リクライニングも無段階で自由な角度に調整OK。

 しかも助手席が最大38cmも前にスライドできるから、足をダラーっと投げ出して座れるんです。これならお疲れパパもリラックスしてガーガーと眠れるはず。目的地に付いたら、助手席を倒せばシートバックテーブルでお目覚めのコーヒーがゆったり飲めるのも、ポイント高いです。

 ミラクルオープンドアは、遊び疲れて眠ってしまった子どもを抱っこしたまま車内に入れるし、急な雨でもベビーカーを畳まずにそのまま積み込みOKだし、子連れレジャーや日常でのいろんな苦労を完璧にサポート。これならお疲れパパも、いろいろ手伝ってくれそうですよね。

3)ホンダN-BOX

 続きまして、子どもが2人いるファミリーに起こりがちな、ママの取り合い問題。後席が3人がけなら、左右に子どもが座ってママが真ん中に座れば問題解決なんですが、軽自動車は後席に3人はNG。助手席に座ったママが後席の子どものお世話をするのって、けっこう大変なんですよね。我が家は子ども1人だけど、パパが「なんか飲み物ちょうだい」だの「ティッシュ取って」だのとうるさくて、そっちのお世話も大変なんです。

 そんなファミリーにオススメなのは、ホンダ・N-BOX。前後に57cmも動かせる「助手席スーパースライドシート」が超便利なんです。後席に子ども2人が座ってママが助手席に座っても、ズズズィーっと下がって子どものすぐ近くまで寄っていけます。で、パパが「ティッシュー!」って言ったらまたズズズィーと前にスライドすれば、パパのお世話もバッチリ。

 それに、N-BOXは前席と後席が車内で移動できるセンターウォークスルー機能があるのも大きな魅力。これ、なかなかほかの軽自動車だとできないんですよね。助手席からちょっと後ろの荷物を取りに行きたい、なんてときに大雨や猛暑の日は外に降りたくないじゃないですか。ウォークスルーがあるだけで、大助かりの場面は多いと思います。

4)ダイハツ・ムーヴキャンバス

 さて、お次は荷物の多い子育てファミリーに起こりがちな「アレどこ行った?」問題。子どもが気に入ってどこにでも持ち歩くオモチャとか、パパが暑くて脱いだ上着とか、ポケットがパンパンになってそこらへんにポイッと置いた財布や領収書。我が家ではしょっちゅう車内で行方不明になるんですよね〜。ブラックホールでもあるのかと思うくらい。「この辺にしまっといたんだけど、どこ行った?」なんて床を指さされても。「そんなの知らんがな」ですよ、ホントに。

 とまぁそれでいつも喧嘩になるわけなんですが、ダイハツ・ムーヴキャンバスなら大丈夫。ちょっとレトロなデザインでも人気のムーヴキャンバスには、後席の下が大きな引き出し式の収納になる「置きラクボックス」があるんです。ガバッと引き出せばホールケーキや女性のバッグまでしっかり収納可能な、幅27.2cm、長さ31.7cmと大きなサイズだから、オモチャや着替え、洗車道具だってバッチリ収まっちゃう。

 ママがひとりで買い物に行くときも、わざわざ荷室まで行かなくても、ポチッと指でスライドドアを開ければサッと荷物が置けて、走行中にバラバラになる心配がないのも便利ですよね。もちろん荷室も、後席をいちばん前にスライドすれば最大58cmの奥行きができるから、大きな荷物も積み込みOKです。コマゴマした物も大物もしっかり収納できるムーヴキャンバスなら、荷物が行方不明になる怪奇現象も減ることでしょう。

5)スズキ・ワゴンR

 最後はお出かけ好きなファミリーの永遠の悩み、「行きはヨイヨイ帰りは……」問題。そう、長距離ドライブを頻繁にするファミリーにとっては、まだまだ「軽自動車ってどうなの?」って、ちょっと不安は残りますよね。どのモデルも昔よりパワフルだし滑らかだし、乗り心地もかなり進化しましたが、やっぱりこれまで挙げたスーパーハイトワゴンクラスよりも、ちょっと全高が低めでバランスの良いハイトワゴンクラスの方が長距離ドライブは快適です。

 とくにオススメなのは、スズキ・ワゴンR。新型はマイルドハイブリッド搭載が話題になりましたが、とくにターボモデルの上質感、乗り心地の良さ、高速道路での安定感は感動モノ。新プラットフォーム「HEARTECT」を採用したり、軽量で強度の強い高張力鋼板を先代の2倍となる17%も使ったりして、とにかく基本のボディ剛性がシッカリしているのと、コツコツと重ねた軽量化の効果もしっかり実感できます。

 マイルドハイブリッドは、発進時や停車寸前にモーターによるクリープ走行が最長10秒間できたり、約100km/hまでの加速時に最長30秒間のモーターアシストもしてくれるので、高速クルージングがかなりラクになっているのです。

 さらに、スティングレーは静粛性対策を他グレードよりも手厚くしているとのことなので、室内の静かさもバッチリ。長距離ドライブの場合、騒音による疲労感もけっこうあるものなので、静粛性が高い方が疲れにくいんですよね。

 ワゴンRは室内の広さも十分すぎるほどだし、シートアレンジもしやすいし、天井の高さはスーパーハイトワゴンクラスには及ばないけれど、ファミリーカーとしても使いやすいモデルです。お出かけ好きなファミリーはぜひ。

 というわけで、軽自動車をファミリーカーとして使うときに起こりがちな喧嘩のタネを解決してくれる、優秀な5台をピックアップしてみましたが、いかがでしたでしょうか? 買ってしまえば維持費が安く、買い替えどきのリセールバリューも高い軽自動車は、何かと子どもにお金がかかる世代の味方ですよね。しっかり選んで、家族みんなの笑顔あふれるカーライフを送ってくださいね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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